スマートフォンの充電器、モバイルバッテリー、最近だとNASのメーカーとして認知されている「UGREEN」から、ワイヤレスイヤホンをご提供頂いたのでご紹介。
今回紹介するのは「UGREEN HiTUNE S3(以下、HiTUNE S3)」というワイヤレスイヤホンで、現在人気を集めている「耳穴を塞がないイヤホン」です。
耳穴を塞がないイヤホンにも様々な形状、方式がありますが、今回ご紹介するのは「イヤーカフ型」。特に最近、色々なメーカーから新商品が投入されているタイプです。
先にオススメポイントを書いてしまうと、HiTUNE S3は安い。通常価格は約6,000円、セールやクーポンの適用で3,000円前後と半額くらいで購入できるので、耳穴を塞がないイヤホンに興味がある人はお試しで購入しても失敗したな~とはならない価格が強みです。
とはいえ実際に安かろう悪かろうではダメなので、今回はしっかり使ってみて思うところを書いていきます。

メーカーから製品を提供していただきレビューしています。
UGREEN HiTUNE S3
では早速HiTUNE S3をチェックしていきます。

パッケージはいつものUGREENの充電器などとは違い、差し色がグリーンではなくブラックです。
「Open Wearable Stero」や「30hrs Max」などなど、HiTUNE S3の特徴、強みも書かれています。
30hrs Maxですが、これは充電ケースでレシーバーを繰り返し充電した場合の合計使用時間です。レシーバーはフル充電で約7.5時間使用でき、充電ケースは約3回のフル充電が行えるので、その合計で約30時間の再生ができます。
レシーバーのバッテリーが切れた場合、15分の充電で約2時間ほど使用できるまで回復できる急速充電にも対応しています。

本体以外の同梱品はマニュアルとUSB Type-A to Cケーブルのみとシンプルです。
ACアダプタは付属していないので充電を行うにはスマートフォン用の充電器を使い回すか、UGREENの充電器を別で買うといいでしょう。HiTUNE S3を充電するだけなら1,000円ちょっとで買えます。

充電ケースはマットブラック。UGREENといえば暗めのシルバー、ガンメタリック寄りのカラーが定番ですが、HiTUNE S3はパッケージの差し色と同じくブラックでまとめられています。

ケースの背面側にはUSB Type-Cポート。充電ケーブルは背中にぶっさします。

充電ケースをパカっと開けて、HiTUNE S3のレシーバーとご対面です。イヤーカフ型は耳を挟み込む形状なので結構大きさがあるんですが、意外とコンパクトに収納されています。
ケースの開閉に特にロックはないものの、蓋が勝手に開いてしまうような遊びも少なくいつの間にかレシーバーがケースから脱走しているようなことはなさそうです。

レシーバー本体だけで見るとオーバーヘッド型のヘッドホンのようにも見えますね。
形状は前後で違いますので付け間違えることは少なそう。丸く小さい方が前側、つまり耳穴側です。ちょっとわかりづらいんですが、耳の後側に来るユニットにはタッチセンサーがあり、着用した状態では耳の後ろを指先でさわると再生・停止といった操作を行うことができます。

レシーバーを別向き、今回は下側から見てみましょう。
写真左側、耳穴側のユニットには銀メッシュに覆われたスピーカー部を確認できます。ここから鳴った音が耳に入って聞こえるわけですね。耳穴を塞いでいるわけではないので、周囲の音と混ざって聞こえる仕組みはこうなっているわけです。
右側ユニットは金色の接点が見える通り、こちら側にバッテリーが入っているようです。タッチセンサーもこちら側にあるので、様々な機能は耳の後ろに来るユニットに集約されています。
こう書くと耳の後ろに来るユニットの方が重たく着用した際に不安定になりそうですが、特にそういったこともありません。
使用感 – 装着感もいい。電池持ちもいい。が……
音質評価は好みも含めて個人差が大きいので本当に参考程度になりますが、個人的には悪くないと感じました。
「耳穴を塞がない」「周囲の音も聞ける」という特性上、耳穴を塞ぐカナル型イヤホンのように音質重視の評価もできないのですが、適当に音楽を鳴らした際に「低音が強すぎる」「音がこもって聞こえる」といったこともありません。
しっかり周囲の音と混じって、気持ちよくBGMとして音楽を鳴らしてくれます。また、ビデオ会議などで使用しても相手の声も十分聞き取れるだけの解像感もあり、耳穴を塞がないイヤホンに求めている音質、品質は十分です。
音漏れについても、周囲の静かさ、距離とで変わってきますが、スマートフォン側のボリューム設定で50%くらいまでならそこまで気にする必要はなさそうです。
装着感も良好です。
筆者は耳たぶ(ロブ)を始め耳全体に厚みがあり、ピアスを開けるにもちょっと苦労する耳の持ち主です。アクセサリのイヤーカフも市販品そのままでは隙間が狭く取り付けできず、少し広げて着けています。
そのためHiTUNE S3も装着に苦労したり、装着しても不安定になるかと思ったのですが、身につけている状態で首を振ったりしても落下したり、装着位置がズレてしまうこともありませんでした。もちろん、装着中の圧迫感もありません。
電池持ちも公称値通り。先日6時間ほどの長い長い終わりの見えないビデオ会議の際に使ってみましたが、会議が終わるまでにバッテリーが切れてしまうことはありませんでした。
音、装着感、バッテリー持ち、どれもお手頃価格の製品ですが、1万円を超える製品と比べて大きく劣っている点はありません。
が、気になる部分もあります。例えば装着時に流れる英語音声などはボリュームが大きく、解像感も低いのでちょっと耳障りに感じます。
またスマートフォン向けの専用アプリも用意されていないため、イコライザーの調整やタッチセンサーの無効化や機能の変更はできません。マルチポイントにも非対応なので接続先の再設定などもちょっと煩雑に感じます。
2台目やオープンイヤー型の入門機としてはオススメできる
ちょっと本題と逸れる気もしますが、集中して作業したいときに「いいイヤホン・ヘッドホンで音楽を聴く」とか「いいスピーカーで音楽を流す」とか、音楽に気が向いてしまって集中できないんですよね。
かといって無音も気になってしまうので、作業中は天井スピーカーでラジオやポッドキャストを流したり、テレビで適当な番組を流しています。
何年か前に買ったShokzのOpenRun Proも今も愛用していますが、トレーニング時の利用には最適なものの、それなりに側圧もあるのでPC前での長時間作業のお供には向いていません。
その点、HiTUNE S3は「周囲の音と溶け込んで、自然なBGMを流してくれる」感じで、装着感も耳が痛くなるようなこともないためかなり気に入っています。
価格も本当に安く、2台目のイヤホンとしてながら聴きできる、いい意味で雑に使えそうなオープンイヤー型を探している人にはオススメできます。
