3年くらい前に、唐突に年始にこんな記事を書きました。
かなりポエミーな話だった割にSNSで反響もあり、フォロワー以外からも引用・リプライで「当時のMDが手元に残っているけど再生機器がない」といった反応がありました。
幸いにも……というわけでもないんですが、筆者宅の近所にはブックオフの大型店と、そこそこ広めのハードオフがあるので、この記事を書いた直後に「とりあえずMDを再生できる機器」を安く買って聴ける環境だけは用意しました。
で、そこから3年が経った現在、以下のような発表がありました。(もう3週間くらい前の話ですが)

再生・録音機は10年以上前に開発が終了しており、一般的なメーカーの保守期間が5~10年と考えると、最終モデルの保守が終了→だからメディアを作る必要もなくなる、ということでしょう。
もちろん「ソニーがMDの製造を終了」するだけで、他のメーカーからも継続して製造、販売は行われているわけですが、それだっていつ終わるかもわかりません。
3年前の記事にも書いていますが、すでにMDプレイヤーの製造は各メーカー終了しているため、メディアについても時間の問題といっていいでしょう。
なので、今のウチに欲しかったコンポを買っておきたい
こうしてメディアの世代交代……というより終焉を迎えると、メディアだけでなく再生機や録音機の中古もどんどん手に入らなくなっていきます。
というか、意外と壊れなさそうなイメージがあるMDプレイヤーですが、中古品は「MDの再生できません」と書かれているものが多かったり、MDというメディア自体の劣化もあって「手元にMDがないので、動作確認できていません」というものも多く、中古品の相場もあがる中でおみくじ状態が当たり前になってくると、なかなか手を出すことも叶わない状況になってきます。(既にそうなりつつある)

なので買いました。モデルはソニーの「CMT-M35WM」です。
発売順までは覚えていないため「最終モデル」とは自身を持って言えないんですが、ソニーがMDの録音にまで対応する製品として一番最後まで製造・販売を行っていたのがCMT-M35WMです。
過去のニュースを確認したところ、生産終了は2013年の3月ということで、生産終了からは丁度干支が一周するだけの時間が経過したようです。
型番に「WM」とある通り、CDやMDだけでなく対応するメモリーオーディオタイプのウォークマンを接続し、ウォークマンへの音楽転送や転送済みの楽曲再生にも対応したモデルです。
そして発売時期を確認したら、こいつ、2007年発売なんですね。
2007年11月末の発売→2013年3月に生産終了と、5年もの間販売されていた製品で、5年の間にスタンダードなMDコンポが他に出ていないと思うと、MDというメディアや視聴環境が「約20年前に、世間の標準からはずれた」と言っているようなものです。

もちろん……というには個人的な思い出・趣向なので一般的ではないのですが、最初に再生を試したのはかつて東京FMで毎週土曜に放送されていた、フォークデュオ「19(ジューク)」の冠番組「ロックヒルズ」の最終回。
ちゃんとMDに日付まで含めてタイトル情報まで入れてあって、中学生の自分のマメさに感動です。
2002年3月30日と、これも20年以上前。23年前……ということで、ギリギリ2周していないものの、ほぼ干支2周するくらい前の録音でしたが、ちゃんと再生することができました。
いや、ちゃんとと言うには一部音飛びするようなところもあったんですが、これが当時のラジオの受信環境が悪くてそうなったのか、メディアやプレイヤーに起因する音飛びなのかはわかりません。
「あの岡に登ってく 僕たちは何を見るだろう 大きな岩 そこにある~♪」と、歌詞の中に岡平健治、岩瀬敬吾の両名が登場する、音源化されていない番組テーマ曲も久々に聴けて満足です。
しかしこうなってくると、ポータブルMDプレイヤーも欲しくなってきますね。
中古はポータブル機器なのでMDコンポやシステムオーディオと比べると状態の悪いものばかりですし、それらに使われていたガム型の充電式バッテリーだったり、実質その機種専用になっているリモコンだったり、入手して使うにも本体以外にも課題があるため現実的ではないんですが。