SDガンダム Gジェネレーション エターナルは「丁度いいGジェネ」

雑記

ガンダムゲームの中でもお祭作品の「SDガンダム Gジェネレーション」シリーズ。
その最新作となる「SDガンダム Gジェネレーション エターナル(以下、エターナル)」が2025年4月16日、遂にサービス開始になりました。

ソニー・PlayStation(初代)向けにリリースされた3作。この3作でGジェネはガンダムファンの心を鷲掴みにした(と思っている)

第一作の「SDガンダム Gジェネレーション」の発売は1998年。そろそろ30年経つんですね。

ガンダムは子供の頃、色々見ているアニメの中のひとつでしかなかったはずなんですが、筆者よりもガンダムにハマっていた同級生の家で遊んでいた「SDガンダムワールド ガチャポン戦士シリーズ」がキッカケで、そこからズブズブとガンダムオタクの道へ……。
「プレステで同じようなゲームが出る」と教えてもらい、サンタクロースにもらったのが初代Gジェネでした。

「数あるガンダム作品の機体、キャラクターがこれでもか!と登場し、それを自由に自軍として編成。そして原作のエピソードを再現したステージを攻略しながら追体験」を楽しむゲームであり、そして登場する機体やキャラクターに関する解説コンテンツが充実しており、普通に遊ぶだけでどんどんガンダムに詳しくなれるんですよね。

好評だったのか、ソニー・PlayStation(初代)向けのGジェネは、翌年に「ゼロ」、その翌年には「F」と次々と新作が登場しました。
特に「F」はGジェネ史上最高傑作と評されることも多く、当時映像化されていなかった「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」や、今も新章が追加されている「機動戦士ガンダム クロスボーン・バンガード」などなど、アニメ以外で展開されていたガンダムシリーズのステージ(シナリオ)が用意されたり、機体やキャラクターも登場するなど、ガンダムのライブラリ作品としての完成度の高い一作でした。

これ以降もGジェネシリーズは様々なハード向けに作品がリリースされています。
またガンダムシリーズはテレビシリーズとして2~3年に1作品のペースで新作が登場しており、Gジェネシリーズの新作にはそれら新作ガンダムが追加されるのも楽しみのひとつです。

ただ、個人的には「F」を超えなかったんですよね。
超えなかった理由をちゃんと考えたことはなかったんですが、シリーズの売りである「原作の名シーンを追体験しながらステージを進めていく」が、それこそ初代・ZERO・Fの3作で同じようなことを繰り返していて、さらに中高生になってゲームを遊ぶ時間が目減りしていく中で「また同じことをしないといけない」のが結構苦痛だったのかもしれません。
あと、ガンダムSEEDが爆発的に当たった結果、外伝(アストレイ)もそれなりのボリュームになり、ガンダムエースの刊行に伴い宇宙世紀など過去作品の外伝もアホほど増え、それらをゲーム内でフォローするのは結構大変で……。

ただ、そういう「後から追加されたもの」を小出しにしながらプレイヤーを楽しませることができるのが、今回のエターナルの強みじゃないかなと考えています。

ゲームコンソール向け、主にPS4向けだった「ジェネシス」「クロスレイズ」は、前者が宇宙世紀、後者がオルタナティブ(GとかXとかSEEDとかそういうやつ)と区別された作品・参戦機体になっていて、さらにDLCでコンテンツ購入で……と、例えば「カミーユをキュリオスやAGE-2に乗せる」みたいな遊びができないのが不満でした。
(Z顔の可変機にカミーユ乗せたら、なんか専用台詞聞けそうじゃん?)

エターナル、1日半ほど遊んでいても「次のアップデートが待ち遠しい」と思えるポイントは結構あって、それが「あの機体が出てきそう」「期間限定イベントで外伝作品のステージ・機体で遊べるらしい」と、割と継続して遊びたくなる仕組みが今時点から見えているのもいい感じです。

ホーム画面のカスタマイズは、ついつい新たに入手、そして活躍した機体を飾りたくなる

肝心のゲーム内容ですが、ちゃんとGジェネしながら程よくスマホゲーに落とし込まれています。

ホーム画面に好きな機体を設定できたり、ここから各種コンテンツに飛ぶあたりはスマホゲーらしいUI・UXですね。
従来のGジェネシリーズの「ステージ選択以外の画面は、基地で色々やっていく」ような見た目もいいんですが、丁寧に作り込まれた機体のグラフィックをぼへーっと眺められるのはオタク的には好感ポイント高めです。

先頭アニメーションの完成度は高い

Gジェネシリーズといえば、初代から「戦闘アニメーションがかっこいい」ことが支持されています。

もちろんそれはエターナルでも同じ。ジェネシス、クロスレイズ相当のグラフィックで戦闘アニメーションで色んな機体が動きますし、SDながら特徴的な機体の動きを再現しているので見応えがあります。

ただ、毎回見るのは面倒なんですよね。
なので「2度目からはスキップできる」仕様になっています。これ、意外と過去作遊んでいるとあったのが「せっかく手に入れた機体のアニメーションを見たいのに、サクサク進めたいがために戦闘アニメスキップを選んでしまった」で、結局毎回スキップしてしまい、いつになってもカッコイイ戦闘アニメーションを見られない、積みになってしまうことがありました。

でも機体・武装によっては1分近い長尺の戦闘アニメーションになっているものもあり……。そういうのはスキップしたいときもあります。
ライブラリで後から選んだ戦闘アニメーションを見返せるようにして、強制的に1回は見させられるという仕様から改めてくれたらもっといいかも。

設計はなし。あるのは開発だけ。

Gジェネシリーズといえば、機体を強化しながら後続の機体に作り替える「開発」と、開発した機体や鹵獲した機体を掛け合わせ、違う機体を生産できるようにする「設計」で、より強い機体を入手していくのが定番です。

が、エターナルには設計がありません。

なので強い機体を得るには機体のレベルを上げたり、ステージクリアで入手できるアイテムを揃え、次の機体へ開発していく必要があります。

開発経路は作品毎に区切られているので、例えば「RX-78-2を強化していっても、RX-78 GP01(現時点で未実装)になる」とか「RX-78-2、またはRX-78-3からNT1(現時点で未実装)になる」のような開発はできません。
また開発経路はちょいちょい「その順じゃねーだろ!」というツッコミポイントもありますが、どの機体のレベルをあげていけば何が手に入るかはわかりやすく、いわゆる「最強機体」を手に入れるまでの道のりも開示されているので、従来作品にあった「開発ルートを誤って、再度前の機体を育て直す」のような事故は起きづらくなっています。

機体強化は過去作よりも「やろう」という気にさせられる

また、機体強化も従来作品と異なり、機体性能はスマホゲーらしく
 ・機体自体の基礎性能
も重要ながら、ちゃんとレベルアップさせた機体であれば、ガンダム史における「その時代じゃ型落ちの機体」でも結構活躍させることができます。

現時点の筆者のお気に入りは「G-3 ガンダム」で、宇宙世紀0079の機体ですが、レベルアップや限界突破(いわゆる”星あげ”)のおかげで、空は飛ぶはビーム砲はいっぱいついてるわ、ガラパゴスの極みのオルタナティブ作品のステージでも活躍しています。

ガチャをまわすメリットが薄いのがちょっと心配

そしてスマホゲーらしい機能がやっぱり「ガシャ」。
排出率や天井の話はともかくとして、ガシャで最強クラスの機体を引き当てることで即戦力にできます。

その代わりにガシャで排出された機体は「開発できません」。
レベルアップさせて強化はできますが、例えばZGMF-X10A フリーダムをガシャで当てたからといって、そこからZGMF-X20A ストライクフリーダム(現時点で未実装)に開発することはできません。
これは最強機体に限らずザクやジムでも、リーオーやドートレスでも、どんな量産MSであってもガシャ排出機体からの開発はできなくなっています。

最初は「さっさとガシャでユニコーンを引き当てて、開発でバンシィやフェネクスも揃えてフルサイコフレームMS部隊結成や!」と夢見たりもしていましたが、これができてしまうとゲームバランスが極端に悪くなる、簡単に傾きすぎてしまうので、少しずつステージを進め、開発も進め、作品への造形を深めながら長く遊んでほしいのでしょう。

実際遊んでみるとガシャで排出された強い機体の出番は序盤だけ。
ステージと開発を進めていくとそれなりに強い機体が手持ちに増えてきます。強化のところで書いたように、ガンダム史における旧型機でも強化を行うとそれなりに使えてしまうので、ガシャをまわす意味はそこまでないかなといった印象です。
(なのでリセマラに必死になる必要もありません。リセマラランキングとか書いてるサイトは滅んでいいです。)

で、実際のところ遊び続けられそうなのか

色々すっ飛ばしてる気もしますが、エターナルは遊び続けられそうなGジェネなのか。
今時点では「遊び続けられそう」です。

どっかで読んだ開発陣のインタビュー記事では「GジェネFを目指す、超える」といった目標を掲げられていましたし、筆者も上に書いたように「F以降のGジェネは、Gジェネの原体験を今まで超えなかった」のですが、エターナルは今のところFとも違う、しかしF以降のGジェネとも違う「スマホゲーで楽しめるGジェネ」としての完成度は高く、ゲーム体験としての満足度は高めです。

スマホゲーなので1駅の移動の間にステージがクリアできるようなボリュームに調整されていますし、細かい操作も面倒ならステージ攻略をフルオートにもできます。(オート時のコンピューター動作がちょっとバカで、わざわざ撃墜されにいくようなことするのは腹が立ちますが)

正直もうおじさんなので、作品の最終局面、三つ巴の戦い(例えばゼータでティターンズとアクシズ相手にするとか)になり、1ステージ攻略に2時間も3時間もかけないといけないようなのはしんどいんですよ。

その点、エターナルは5分程度で1ステージがクリアできるので、クリアだけが目的だったら隙間時間で十分遊べます。1作品あたりのステージ数にバラつきはありますが、多めに20と見積もっても2時間あれば1作品クリアもできちゃいますので、かなり気軽に久しく見てないテレビシリーズの名シーンのおさらいをするには丁度よく、サクサク遊べて気持ちのいいGジェネです。

あとはガシャをまわす理由付けが弱いので、サービスが続くよう程ほどに課金した方が優位になる要素を増やしてくれるとか、イベント開催やストーリー・ステージの追加頻度で「遊ばない期間を作らせない工夫」がこの先、どれだけあるかじゃないかなと。
長らくハマっていた某ゲームは、コンテンツ追加頻度が落ちたことで「ログインしてもやることがない」で最近切ってもいいかな……と思ってしまっていますし、ガシャが人権の某ゲームも「新シナリオ追加の度に環境が変わり、それを満足に攻略するための天井までまわす」が懐に優しくない仕様でやっぱり切ってもいいかな……(ほぼ切ってる)となっているので、そうならないことを祈るばかりです。