モノクロ写真に色をつけて遊ぶ – こういうのもありかもしれない #カメクラの沼カレ2022

カメラ

お散歩カメラとして購入した「RICOH GR IIIx」ですが、実際に使い始めると機動性の高さ以外にもおもしろい機能が多く便利以上に撮っていて楽しいカメラだな~と感じています。

そんなGR IIIxのおもしろい機能から「イメージコントロール」で遊びつつ、写””真””ではない遊びの話を今回はご紹介していきます。

なお、本記事は「カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2022」の23日目の記事です。
カメクラじゃないんですが、カメラは色々使っているし、たまにはカメラネタのアウトプットをしておきたいので参加してみました。

昨日はNagiさんの「【2022年 美味しかった×絶景 まとめ】」という記事で、とにかく素晴らしい絶景写真とおなかの虫を刺激する写真がてんこ盛り。そのインパクトからするとだいぶ肩透かしの内容で申し訳ない気持ちもありますが、デジタル時代の””遊び””として、この記事からカメラに興味を持ってもらえたらと。

GR IIIxのイメージントロールが楽しい

最近の……いや、最近じゃなくてもデジタルカメラの多くには「セピア調」や「モノクロ」など、写真にいくつかのカラープロファイルを当てて撮影する機能が設けられています。

GR IIIxにも機能名「イメージコントロール」として搭載されており、撮影中でも比較的わかりやすいメニューの浅い場所から標準で11種、さらにユーザー側で彩度やシャープネス等々、好みの設定値を保存できるカスタム設定まで含めると13種のカラープロファイルを切り替えて撮影することが可能です。

[表現力] / RICOH GR III / GR IIIx / デジタルカメラ / 製品 | RICOH IMAGING
コンパクトデジタルカメラ「RICOH GR III / GR IIIx」製品ページ。小型化と高感度・高画質の高性能化を両立した、焦点距離の異なる2つのGRについて、特長や仕様、アクセサリーについてご紹介いたします。

デジカメとしては当たり前の機能ですしスマートフォンにも同様の機能はありますが、フィルムカメラであればフィルムを取り替えない限りは色調などは大きく変えられないわけで、気軽に変更できるのは改めて「デジタル」ならではの便利さだなという気付きです。

実を言うとこの手の機能、そんな好きじゃないんですよね。色をどんどん作る感じが写””真””ではない気がして、普段の撮影→現像の流れの中でも「○○っていうフィルム風のプリセット当ててます!」みたいなのは否定派です。
ただ、GR IIIxは「お散歩カメラ」というポジション。普段使うカメラで撮る写真とは違う、普段なら否定する撮り方、遊び方を楽しんでもいいんじゃないかと、イメージコントロールをおもしろがって使ってます。

イメージコントロール×AIで遊ぶ

イメージコントロールの中でもセピアやモノクロなど、色の淡い表現はスナップシューターたるGR IIIxのラフさと相まって非常に使いやすいカラープロファイルだと思っています。

が、そのまま撮って出してもなんだか普通。もう少しGR IIIxで撮った写真で遊べないかな~と考えていてふと閃いたのが「モノクロ写真のAI着色」。
最近テレビとかでも話題になりますよね。昔の家族写真に色を付けたら……みたいなやつ。

これ、PhotoShop使うと結構簡単にやれちゃうんですよね。
フィルター>ニューラルフィルター>カラー化の順で適用すればモノクロ写真にAIが判断した「多分元はこんな色だったんだろう」というカラー写真に化けてくれます。

GR IIIxのイメージコントロールにはモノクロだけでも「モノトーン」「ソフトモノトーン」「ハードモノトーン」「ハイコントラスト白黒」と4種もプリセットされて、それぞれに違ったレトロ感があるので、それをAI着色すると現代の風景のはずなのに、なんともいえぬ古びた写真感を楽しめるわけです。

実際にモノクロ写真にAIで着色してみた作例

というわけで以下は実際にイメージコントロールでモノクロ系のプリセットを当てたものを、PhotoShopでカラー化してみた作例たちです。
モノクロ>AIでカラー化>本来のカラー写真(RAWデータから現像)の順で並べてみましたので、それぞれの違いなんぞを楽しんでもらえたらと。

日中に撮影したモノクロ写真からのカラー化は、割と再現性高めですね。
2枚目の建物が赤茶色になっているのは、なんとなくですが建物の表面のテクスチャーをレンガだと思い込んだのかもしれません。

これとかなんでワンボックスカーがイエローになったんだろう?と考えたんですが、海外だとタクシーってこういうカタチかつイエローの車体多いですよね。多分、そういうのをAIが学習しているんだろうなー。

太陽光下だと、最初の作例らと同じであまり違和感はないかな?
ちょっとおもしろいのは縦の作例の空で、窓ガラスに写り込んだ空がやけに青々としていること。窓と判断できなかったとか、電線で区切られた空のように認識したのだろうか。

これは割と元写真が悪かった例かも。
どうしても白黒だけの階調になると光っている看板のようなものは絵に残しづらいので、カラー化してもよくわからんものになりました。

窓際に飾られていたネオンサインも本来はかなりカラフルなんですが色は飛んじゃってますし、そもそも外周のラインは光ってすらいない。

オシャレなカルティエのXmasツリーも、AIにかかればまるで世紀末のようです。

なんとなく思ったんですが、AIくんは青空が大好きなんですかね。総じて空=青みたいな着色をしてくれます。

Apple Storeの洒落たカラフルな展示も、AIにかかればこの通り。AIが選んだ不思議なカラーのiPhone、ちょっとほしいかも。

このへんは割とそのまんま……かな?でもやっぱり空はやけに青い。

表参道東急の入口天井の鏡、好きなんですよね。ぼーっと眺めていると吸い込まれていきそうになる。
でも、AIに着色を任せたらこちらも地獄へ引き込まれそうなビジュアルに。真っ赤だし、ダンスホールのようなものを想像したんでしょうか。

スタバのカップは赤のグラデーションになりました。丁度Xmasシーズンですしね、こういうカップありそうです。

全体的に暖色に偏った被写体だとモノクロで撮っても意外と再現性高め。空はなんとなく明るさを持ち上げようと頑張ったからなのか、高感度撮影したかのように見えますね、写真下手くそか?

3年ぶりに実施された渋谷の青の洞窟もAIにかかればこの通り、全く青くありません。
多分「青」って文字を認識できれば、またちょっと違う結果になったのかも。

ホゲータ(別名:ホゲち)はなんとな~く赤い気もしますが、残念ながら再現ならず。ここはいっそピンクになって、ホゲータ(いろちがい)になったりしたらおもしろかったんですが、そういう気の利いたジョークはまだ知らないようです。

しっかり暗い店内でも、被写体が「わかりやすいもの」だと結構頑張って割と近そうな色をつけてくれますね。

こういう写真の楽しみ方もアリかもしれない

デジカメやレンズ交換式カメラよりも今使われているカメラはご存知の通りスマートフォンです。

スマートフォンのカメラは既に「見たまま写ったまま」を記録するのではなく、写ったものをメーカー毎にソフトウェアで幾十にも処理を行い「こういうのがキレイなんだろ!好きなんだろ!」という絵に仕上げるものばかり。

そういう意味では既に『写””真””』の定義は大きく変わってきているんだろうな~と思うわけです。
だって、ドギツイくらいに真っ青な空の写真の方がいいねが稼げるし、自撮りアプリだってそんな白いわけないだろって肌の色にもなったりするわけですから。

もちろん旧来のカメラで撮る「写真」の良さもありますが、そうでない写真を否定するのもなんだか違うよね~とも思わないでもないわけです。

今回は気軽に写真の撮れるスナップシューターのGR IIIxに、気軽に仕上がりを変えられるイメージコントロールのふたつが揃ったことで自分にとって「違う撮影スタイル」を試すキッカケになりました。
だんだんとコロナ禍前のように外に写真を撮りに出かけられるようにもなってきましたし、その間にもちゃんとカメラも進化しているし、写真を仕上げる方法にも今までにない選択肢も増えています。

本当に今回はお遊びでしたが、写真・カメラは面倒臭そうな趣味とは思わず、現代的な楽しみ方で自分なりの撮影スタイルを模索するのも、今の時代のカメラとの付き合い方なのかもしれませんね。
(ふぅ、良いこと言ったぜ…)


そして明日の「カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2022」の担当は飲み友達のでこいさん
いつもいっしょに飲んだくれて遊んでばかりですが、彼は決めるときは決めるいい男なのできっとスゴイ写真を載せてくるはず。明日のでこにくに超期待です。

▼ この記事で使っているカメラはコイツ