GMSなしのファーウェイスマホはどれだけ使えるのか。App Galleryの配信ラインナップを確かめてみた。

ケータイ

ファーウェイ・ジャパン様からSIMフリースマートフォン「Mate 30 Pro 5G」をお借りしました。

今回お借りした理由は「HUAWEI Mobile Service(HMS)、特にアプリストアの「App Gallery」で普段使いに必要なアプリはどのくらいインストールできるのか」を確かめてみよう、というのが理由です。

ファーウェイは2019年夏より米国から取引禁止処置を受けており、Googleモバイルサービス(GMS)を搭載した新製品のリリースが行えなくなっています。
Mate 30 Pro 5Gも2019年後半にリリースされた製品なのでこれに該当し、その際に「GMSに代わるHMSを用意した。Google Playに代わるアプリストアのApp Galleryでたくさんのアプリを提供できる」とも発表しています。

日本国内ではGMSに非対応の一号機となったMate 30 Pro 5Gですが、先週からGMSに非対応のP40シリーズの販売も開始されており「最新のファーウェイスマホが気になるけれど、GMS非対応なのは…」と躊躇っている人も少なくないでしょう。
そこで今回は、上にも書いたようにApp Galleryでどこまで普段使いのアプリがインストールできるかをざっくり確認してみました。

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知ったアプリ・サービス名が表示されるApp Galleryのトップページ

Mate 30 Pro 5GでApp Galleryを開いてみると見覚えのあるアプリ・サービスのアイコンが多数表示されます。

端末の言語・地域設定を見ていると思われるのですが、日本語・日本の設定であれば、日本向けのアプリ・サービスがApp Galleryのトップページに表示されるようです。

実際に「おすすめの新着アプリ」をタップしてみると「LINE」や「NAVITIME」といった、おなじみのアプリが多数表示され、GMSなきファーウェイスマートフォンでも利用できることがわかります。

主要なSNSはどうなのか

「おすすめの新着アプリ」に表示されていたのは、ざっくり言えば「日本国内向けのサービス」であり、現在多くの人が利用しているSNSは北米初のサービスばかりです。
つまり、端末の言語・地域設定を見て「おすすめ」を表示しているのだとすると「日本」に設定している場合に主要SNSのアプリが表示されない(されづらい)可能性があります。

主要なサービスで検索した結果として、アプリ・サービス名の横に表示されるボタンのテキストが「開く」「入手」「インストール」と異なることに気付きます。

「開く」の場合、これはWebブラウザ上で動作する簡易版を開くためのリンクとなり、アプリのインストールは行えません。
「入手」の場合、Webサイトにアクセスした上でアプリのパッケージをダウンロードしインストールを行います。いわゆる「apkのダウンロード、インストール」です。
「インストール」はApp Gallery内でアプリの提供が行われており、App Gallery内でアップデートの管理なども行えます。

なお、Twitterについて思いっきり入力を誤ったのを敢えてスクショに撮って利用していますが、App Gallery内での検索時、ある程度有名なアプリ・サービス名であれば多少の入力の間違いがあっても「もしかして」として求めている検索結果を表示してくれます。
また、正しく「Twitter」と入力した場合でも検索結果は変わりませんでした。

ゲームの提供状況はどうなのか

続いて「ゲーム」の提供状況を確認していきます。

まずはおすすめの新着ゲームから。
筆者がそんなにスマートフォンゲーム事情に明るくないのでここに表示されるタイトルが充実しているか否かはなんとも言えないのですが、一時期ハマっていた「アスファルト9」が表示されたり、それ以外のゲームも「Google Playのオススメで見た気がする」ものが表示されており、このあたりは「国産ではなく海外産タイトルなので、対応が早かったのかな」と。

続いて、筆者の周りでもプレイヤーの多いゲームタイトルで調べてみました。

Pokémon GOは検索結果なし。ドラゴンクエストウォークは「表示」ボタンかつ「利用不可・利用可能になると通知されます」と出ていて、現時点で提供はないものの将来的に提供される可能性を示唆する内容になっています。
このブログの更新ペースが落ちている原因の「プリンセスコネクト!Re:Dive」、これも台湾や香港では「超異域公主連結☆Re:Dive」として配信されているので出てこないかなぁと思ったのですが出てきません。
(まぁ、公式サイトでもGoogle Playへのリンクのみですし、出てきても繁体字圏版ではそのまま遊べませんしね)

Googleや有名ECサイトのアプリなどは出てくるのか

結果はわかりきっていますが、興味本位でGoogleの各アプリはApp Galleryに出てくるのかも確認しました。
あわせて個人的にスマホで利用することの多いECサイトのショッピングアプリが出てくるかもチェックしました。

当たり前ですが、Googleの各アプリについてはApp Galleryでの配信はありません。
もしインストールができたとしてもGMSに非対応だとアプリが立ち上がらなかったり、立ち上がってもGoogleアカウントに連携することもできないため満足に利用することはできません。こればかりはGMS非搭載だから仕方なく、今後のHMSに期待するしかありません。

また、ECサイトについてAamzonは「入手」の表示になり、AmazonのWebサイトからapkのダウンロード、もしくはそのままAmazonをブラウザで利用することが推奨されています。

そして楽天。こちらは楽天に関するアプリは「楽天ペイ店舗アプリ」がサジェストされるのみで、それも現在は利用不可となっています。
「楽」と「天」を含むアプリが多数サジェストされているため、今後「楽天」を冠するアプリが増えてこないと検索結果からお目当てのアプリに辿り着くのは難しいかもしれません。


厳しめに評価をするとHMS・App Galleryは実用的かと聞かれれば、すでに10年以上の歴史があるGMS・Google Playと比較すると「まだまだ全然」と評する他ありません。

Mate 30 Pro 5Gは5月中頃~末までの約2週間お借りし試していたのですが、この間にも「LINEが追加された!」とか「Zoomがダウンロードできるようになったぞ!」など、SNSなどでHMS対応機のユーザーからは続々と「定番アプリ」のインストール選択肢が増えていることが報告されており、ファーウェイとして急ピッチでApp Galleryの充実に取り組んでいることがわかります。

また、HMSのエコシステムがユーザーに受け入れられるべく国内でも開発者向けに「HMSディベロッパー会議」といったイベントも実施しています。

https://consumer.huawei.com/jp/press/news/2019/news-191219

もちろん「アプリとしてインストールできた方が便利」ではあるのですが、10年ほど前のスマートフォン黎明期と比較すると多くのWebサイト・サービスはスマートフォン向けのUIでの表示に対応しています。
アプリを入れずともブラウザ上で完結してしまうことも多いため、例えば連絡手段としてマストになっているLINEのようなアプリが充実さえすれば、それ以外は代替手段でも十分に困らないでしょう。

個人的には「TwitterやってAmazonで買物してLINEに返事できれば困らない」くらいのライトな使い方が主であり、現在配信されているアプリでも試用した2週間で困る場面はそんなにないとも感じました。
「現在の定番アプリが今後も定番である」とは限りませんし、ぜひHMS・App Galleryにはスマートフォンの新定番を目指して頑張っていってもらいたいものです。