ドコモの新プラン「ベーシックパック」は何が違う?既存のデータパックとの違いをご紹介

ケータイ

NTTドコモは4月27日、新データプラン「ベーシックパック」「ベーシックシェアパック」を発表しました。

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5月25日から受け付け開始となるので、新規やのりかえでドコモと契約するユーザーは同日、既存のドコモユーザーは6月1日から利用できます。

NTTドコモの料金プランは2014年以降
・通話定額の種類、有無
・使いたいデータ容量
を選び組み合わせ、さらに家族内でデータ容量をシェアして使える「カケホーダイ&パケあえる」を徐々に拡充してきましたが、今回追加となる「ベーシックパック」「ベーシックシェアパック」は、これまでのプランとどう違うのかを解説していきます。

「使った分」でデータ料が変わる段階式に

ベーシックパック、ベーシックシェアパックが従来プランと違うのは「使った分で料金が変わる」ようになったこと。

例えば1GBまでならば2,900円、これを超えて3GBまで使った場合は4,000円と自動的にデータ容量に応じたデータ通信料が発生します。
従来であれば自分が契約したプランの容量を超えた時点で128Kbpsに速度が制限され、それ以上に高速なデータ通信を行う場合には1,000円/1GBでデータ容量を追加購入する必要がありました。

メリットとしては「使わない月は安く。使いすぎても速度が遅くならない・適当な料金で利用できる。」こと。
容量が少なめのプランを契約していて、希に使いすぎた月に途中で速度制限されることなく利用し続けられるため、今までよりも快適に利用できます。
また、予め使い切れるかわからない大容量のプランを契約しておく必要もないので、無駄なく利用することが可能です。
このあたりは好評になっているauの「auピタットプラン」に近い仕組みですね。

今までより安い?高い?

続いて気になるのが、ベーシックパック・ベーシックシェアパックを契約した場合、今までより月額料金が安くなるのか、高くなるかです。

ベーシックパック
容量 ベーシックパック 従来データパック 備考
1GB 2,900円
2GB 3,500円 データSパック
3GB 4,000円 4,500円 データSパック
+
追加1GB購入
5GB 5,000円 データMパック
20GB 7,000円 6,000円 ウルトラデータLパック
ベーシックシェアパック
容量 ベーシックシェアパック 従来シェアパック 備考
5GB 6,500円 シェアパック5
10GB 9,000円 9,500円 シェアパック10
15GB 12,000円 12,500円 シェアパック15
30GB 15,000円 13,500円 ウルトラシェアパック30

ベーシックパック、ベーシックシェアパック、どちらも一番大きな容量まで使ってしまうと従来プランより割高になります。
ただ、それ以下の容量で済めば従来のデータパック・シェアパックよりも安く利用できるため、ベーシックパックらの「ご利用の少ないお客様向け」の謳い文句は間違いではないと言えます。

また「利用が少ない」にフォーカスすると、一人だけで利用するベーシックパックは従来にない「1GB」の容量が設定されていること、また3GBまでの利用の際は4,000円と、従来のデータSパック(2GB)と比べ+500円で1GB多く使えるという点でも、利用の少ないユーザーであれば今までよりも安価に利用できる料金体系になっていることがわかります。

シンプルプランの組合せOK

データ容量については「あまり使わない」場合に従来のデータパックよりも安くなることがわかりました。

が、ベーシックプランのメリットはそれだけではありません。

丁度一年前にスタートした基本料金プラン「シンプルプラン」。
通話定額や無料通信分が一切ない代わりに、カケホーダイ(ライト)プランよりも安価な基本料金プランとして提供されていますが、シンプルプランは「シェアプランに加入、または大容量データプランに加入しないと選べない」料金プランでした。
つまり、家族で自分だけドコモというユーザーは、あまりデータ通信を利用しない場合に
・通話定額に加入して容量の少ないデータパックに加入する
・シンプルプランを選んで使い切れない大容量のデータパックに加入する
の二択が強制されていましたので、通話もデータ通信もあまり使わないユーザーあれば、今までよりも最低維持費が安くなります。

実際にベーシックパックでの最低維持費、従来プランでの最低維持費をまとめてみると以下のようになります。

ベーシックパック 従来
基本料金 980円
(シンプルプラン)
1,700円
(カケホーダイライトプラン)
ネット接続料 300円
(spモード)
データパック 2,900円
(ベーシックパック)
3,500円
(データSパック)
合計 4,180円 5,500円

もちろん、データ容量はベーシックパックの下限は1GB、従来プランのデータSパックは2GBという違いもありますので一概に「ベーシックパックを選んだ方が安い」とは内容面で言いきれない部分もありますが、上に書いた通り2GB以上のデータ通信を行った場合はベーシックパックの方が安くなる仕組みにもなっていますので、実利用ではベーシックパックを選んだ方が、利用の少ないユーザーはお得になる可能性が大きくなっています。

ベーシックパック登場で「変わる」こと

ここまでに書いたのはベーシックパックの「いいところ」が中心でしたが、ここからはベーシックパック登場で「変わること」、中には「デメリット」に感じられる部分を解説していきます。

ベーシックパックは「データ量の繰り越し」ができない

ベーシックパック、ベーシックシェアパックはデータ容量の繰り越しができません。

従来のデータパックは「予め、○GB使う」とプランを選択・契約する仕組みになっているため、使い切れなかったデータ容量は翌月に繰り越し利用することができました。
ベーシックパック、ベーシックシェアパックは「自分の使った量に応じて料金がかかる」仕組みですので、使い切れないデータ容量が予め出るかわからないプランになっています。

従来プランであれば、最初から20GB使うプランを契約し、15GBしか使わない場合は5GBを繰り越し、翌月は25GB使えます。
ベーシックパックで5GB以上20GB未満の料金に到達し、15GBしか利用しなければ、同じ料金で残り5GB使えるのに、この5GBを捨てる、という選択しかできません。
予め「結構使いそう」とデータ量を使いそうな人はベーシックパックを選ぶより、従来のデータパックを選択した方が払い損にならない、お買得に感じられるかもしれません。

従来のデータパックの一部が受け付け終了になる

5月25日のベーシックパック、ベーシックシェアパックの登場にあわせ、現在提供中のデータパックの一部が5月24日で受け付け終了になります。

対象となるのは
・シェアパック5
・シェアパック10
・シェアパック15
・データSパック(2GB)
・データMパック(5GB)
の5つ。
(法人向けのビジネスシェアパック5~15も受付終了)

ここまでに比較した通り、受付終了となるデータパックと比べベーシックパックの方が月額が安くなっているため、金額だけで見ればベーシックパックに変更した方が今までよりお買得に利用できます。
が、上記の受付終了となるプランは「データ容量の繰り越し」ができるため、容量が少なめながらも使わない月の翌月は「いつもより多く使える」というメリットもあります。

ベーシックパックの発表後、筆者が見たSNSの反応の中には、これら受付終了となるプランを利用していて、データ容量の繰り越しで使わない月・使う月の料金に無駄がなく利用できているので改悪だ、といった声も少なくありません。

幸いなのが、現在これらのプランを利用している人は「自分から変更しない限りは継続される」ので、データ容量の繰り越しなどにメリットを感じ利用しているのあればそのまま利用し続ければOKです。
もちろん、機種変更を行った場合でも強制的にベーシックパック・ベーシックシェアパックに変更されることもありません。

いつの間にか、大量に使って高額請求にならないのか

ベーシックパック・ベーシックシェアパックは「使ったデータ量に応じて、段階的に料金があがる」プランです。
つまり、使いすぎても速度制限がかかることもなく、いつの間にか自分が考えていた以上のデータ通信料が発生している可能性があります。

そこでドコモでは「データ量をメールでお知らせ」をベーシックパック・ベーシックシェアパック利用者向けに提供します。
このお知らせメールの提供タイミングは以下の通り。

次のステップに上がる前: 「ベーシックパック」の場合は残り約200MB、「ベーシックシェアパック」の場合はステップ変動まで残り約1GB到達時。
速度が低下する前:「ベーシックパック・ベーシックシェアパック」ともに速度低下まで残り約1GB到達時。

つまり、このメールが届いたら「これ以上使ったら高くなる」と判断し、データ通信を控えることで料金が想定以上に高くなることを防ぐことができます。

また、ベーシックシェアパックを利用している場合に限りますが、My docomoから無料で利用できる「データ量上限設定オプション」を利用することで、自分で定めたデータ容量に達した時点で通信速度を遅くする制限をかけることもできます。

「カケホーダイ&パケあえる」関連オプションサービス | 料金・割引 | NTTドコモ
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自分はあまり使わないようにしていても、家族が使いすぎてベーシックシェアパックの料金が次のステップへあがってしまう、なんてことを防ぐこともできますので、心配な人はこちらを活用するといいでしょう。

できることなら、ベーシックパック側もこれに対応してくれるといいんですが…(^^;
※発表時、対応すると案内がありましたが、後に訂正されました。。。

ベーシックパックはアリか、ナシか

筆者の個人的な事情で言えば、家族がかなり使うことがあり、ウルトラシェアパック30を契約しないとデータ容量が足りないため、ベーシックパック・ベーシックシェアパックに契約変更を行うと割高になるため、自分では利用しようとは思えません。

が、これまで「シェアでないとドコモは他社より高い」ことが多かったのが、ベーシックパックの登場にあわせシンプルプランを組合せられるプランが増えるなど、今までよりは安く利用できる組合せが増えた点は評価したいところです。