家電量販店や携帯電話のオンラインショップの特価商材として、比較的新しい機種や人気の機種が「24円」や「36円」「月々3円」と目玉商品として紹介されているのを目にしたことがある人は多いでしょう。
先日発表されたApple iPhone 16シリーズや、8月に発売になったばかりのGoogle Pixel 9シリーズのような最新機種でも「月々3円」「1年間で36円」といった驚きの価格が発表されており、こんなに安いのなら買ってもいいかな?と考えている人も多いかもしれません。
ただ、これらのキャンペーンは例えば「月々3円、12ヶ月で36円」支払って終わりではありません。
「2年使って本体を返却」の仕組み同様に「1年使って本体を返却」だけでなく、その他にも費用がかかってきます。
今回は「1年間はおトク、1年後に返却をするキャンペーン価格」が実際にいくらかかるのか、NTTドコモ、au、SoftBankの主要3社の仕組みをまとめて解説していきます。
NTTドコモ
NTTドコモの端末購入プログラムのうち、1年での端末返却が行えるのは「いつでもカエドキプログラム+」です。
いつでもカエドキプログラム+では「23回の支払+残価の支払い」で本体代金を分割払いする購入プログラムです。1年で返却を行う場合は「13回目~23回目の支払と残価が免除」されます。1年で返却を行うには「smartあんしん補償」に加入中かつ「早期利用料の支払」が必要です。
smartあんしん補償は機種によって月額が異なります。
月額は330円・605円・880円・1,100円の4パターンが存在します。今回は最新スマートフォン・高性能スマートフォンの特価を例に挙げた話なので「1,100円」で以降は試算していきます。
そして「早期利用料」ですが、これは機種問わず一律で「12,100円」です。
上記をふまえ「毎月3円、1年間で36円」を謳っている場合は
smartあんしん補償 12ヶ月分→ 1,100円 × 12 = 13,200円
早期利用料 12,100円
が発生するため本体代の36円の支払いと合算すると25,336円が1年間で本体を返却する場合の自己負担額です。
au
主要3社の中でauだけは1年間での返却プランが用意されていません。
他社同様に「本体を返却すれば残価が免除になるプログラム」として「スマホトクするプログラム」が用意されていますが、こちらは「12ヶ月以上利用、25ヶ月目までに返却すると残価が免除」という内容です。
上にも書いたよう12ヶ月以上利用、25ヶ月目までに返却すると残価が免除なので、例えば1年使って返却しても2年目(13回目~23回目)の支払いは残ります。auの場合はキッチリ2年感使った方がおトクということですね。
その上で店頭で実施されているキャンペーンを例にあげると「2年間で23円」「月々1円」を謳っている場合、1年で返却しても早期利用料や補償サービスの月額分が追加でかかることはありません。
もちろん月々1円だったら早期に返却しても残り1年の支払いは微々たる額なのでいいのですが、数千円×残り1年だと手元にないスマートフォンの代金をトータルで1万円以上支払うわけですから、繰り返しになりますがauの場合はキッチリ2年感使った方がおトクというわけです。
SoftBank
月々3円や2円、1年間で36円や24円のインパクトある特価を最も打ち出しているのがSoftBankです。
SoftBankの1年での端末返却が行えるのは「新トクするサポート(プレミアム)」です。
新トクするサポート(プレミアム)は「48回払いのうち、1年または2年で本体を返却した場合、残価が免除される」という購入プログラムです。
1年での返却には「あんしん保証パック」に加入中かつ「早トクオプション利用料」の支払いが必要です。
あんしん保証パックは機種によって月額が異なります。また早トクオプション利用料も機種によって異なります。
今回は話題になった「最新モデル iPhone 16 128GBが1年間毎月3円(リンク先・PDF注意)」を例に挙げてみます。
iPhone 16 128GBを1年後に返却すれば「毎月3円・合計36円」と謳っている場合は
あんしん保証パックサービス: 1,450円×12回(ヶ月) = 17,400円
早トクオプション利用料: 19,800円
が本体代以外に発生します。なので3円×12ヶ月 = 36円もここに合算すると、37,236円が自己負担分となります。
「返却前提で○円です!」は要注意
携帯電話各社のキャンペーンですが、他社が1円ならうちも1円だ!と対抗した価格を打ち出すのが常なのですが、改めて各社の仕組みの違いを書き出してみると「同じ金額を打ち出していても、実は1年間や2年間で負担する金額が大きく異なる」ことがわかります。
特に1年間で返却するならば……という仕組みはこの1年でだいぶ増えたキャンペーンで、最新のGoogle Pixel 9シリーズやiPhone 16シリーズでも目玉商品として店頭で訴求される機会も今後多くあると思われます。
そのときはぜひ「1年後に返却するのに、本体代以外にかかるものはありますか」と聞いてもらうといいでしょう。
もちろん保証サービスなどは入っていて損ではないので「どうせ払うもの」と認識しているのであればいいのですが「早期利用料」「早期プログラム利用料」は結構な罠だよな~と思いますので、ちゃんと確認した上で求めているおトクに合致するのか、よーく判断してもらえたらと思います。