雪景色と美味しいお酒を求めて – 会津若松・東山温泉へ行ってきました

旅行

すっかり季節は春ですが、ギリギリまだ冬だった2月末に旅行に行ってきました。

行き先は福島県・会津若松。候補としては箱根や越後湯沢などもありましたが、全国旅行支援施策や予定と宿の空きと睨めっこし、個人的に思い入れ(思い出)のある会津若松を選択しました。

泊まったのは「東山温泉 – 庄助の宿 瀧の湯」

会津若松の温泉は「東山温泉」といい、調べてみると「約1300年前、名僧・行基によって発見されたと言われ、奥羽三楽郷に数えられる歴史ある温泉郷」と、筆者が知らないだけでかなり由緒正しい温泉のようです。

それだけ歴史のある温泉だけあって、東山温泉にはかなりの数の温泉宿があります。
気になる宿は色々ありましたが、今回は「庄助の宿 瀧の湯」に宿泊してきました。

宿の公式サイトには

「庄助の宿 瀧の湯」は、会津東山温泉の発祥の場で開湯1300年、
創業130余年の温泉旅館です。

会津の名所「伏見ヶ滝」を望む、
絶景露天風呂と貸切風呂が自慢の湯宿です。

とあり、先に書いたように歴史ある東山温泉の中でも古くから営業されている温泉宿です。

旅行サイトなどのクチコミ評価も総じて高く、今回は10年来の友人と初めての旅行らしい旅行だったので「ちゃんとした温泉宿に泊まろう」という意気込みもあり、こちらのお宿にお世話になることにしました。

会津若松までの移動には「週末パス」がおトク

埼玉から福島へのアクセスってそこまで悪くないんですよね。車でも良かったんですが、行き先の東山温泉は最寄りの会津若松駅からそこまで離れていない・公共交通機関も充実しているので鉄道を利用しました。

大宮駅から郡山駅までは東北新幹線。郡山駅から会津若松駅までは磐越西線を利用しました。
交通費はおトクなきっぷ「週末パス」を利用。
大宮から会津若松までの片道運賃は4,830円ですが、週末パスは「指定した週末2日間は乗り降りし放題」で8,880円なので往復運賃よりも安く済みます。
大宮発だと恩恵は1,000円にも満たないくらいですが、都内や神奈川から東北・新潟方面へ出かける場合は、週末パス+特急券の方が確実に安くなります。

おトクなきっぷ:JR東日本
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大宮から会津若松までの所要時間は2時間半ほど。東北新幹線も磐越西線も、どちらも1時間程度の乗車時間なので移動で疲れることなく行けるというのも、埼玉に限らず関東圏からの旅行先としてはかなり優秀です。

宿到着~チェックイン

会津若松駅から今回の宿「庄助の宿 滝の湯」まではタクシー移動がオススメです。

周遊バスも出ていますがチェックイン開始の14時に間に合うように移動したい場合、会津若松駅でバスを待つ時間がそれなりに発生します。

タクシーであれば乗車時間は10分ほど。料金も2,000円ちょっとなので、移動をスマートに行いたい場合は迷わず駅前からタクシーに乗りましょう。

チェックイン後はレセプションでウェルカムドリンクのお抹茶+羊羹でおもてなし。

ウェルカムドリンクの提供時間は18時まで。席数の都合もあるので、14時のチェックイン受付開始直後に混雑していたら、一度荷物を部屋に置いてから頂きに出てくるのもオススメです。

なお、ネット情報で「ウェルカムドリンクに日本酒があた」とレビューがありましたが、2023年2月の宿泊時点ではお抹茶のみでした。

“”あの空間””のあるお部屋に宿泊

今回泊まった部屋は「夢想庵」という、今回のお宿では「ワンランク上の客室」として案内されているお部屋。

お部屋の広さもそうですが、館内でもエレベーターや階段に近く温泉など館内施設への移動時間も短く済むのも夢想庵を選ぶメリットです。

参考までに、エレベーターに近い今回宿泊した夢想庵から、一般客室の方へカメラを向けてみました。
喫煙室が一般客室側にあるので一度廊下の奥まで歩いてみましたが結構距離があります。

予約サイト・プランにもよりますが一般客室と夢想庵の価格差はそこまで大きくないので、選べるのであれば夢想庵を選んだ方がいいでしょう。

室内ですが、温泉宿にあってほしい””あの空間””もあります。

部屋にいる時間のほとんどはここに座って過ごしましたが座り心地もよく、ほどよく窓越しに感じる冷気が温泉で温まった身体に気持ちよく……。やっぱり旅行は””あの空間””がないとダメですね。

なお、部屋に着いた瞬間に””あの空間””に気を取られ、入口側から部屋の全景を収めた写真を撮り忘れました。
なので夕食も終え布団を敷いてもらった後の写真しかありませんが、部屋の広さはだいたい10畳~12畳くらい。利用想定人数は最大6名と案内されていますが、広々、のびのび過ごすなら2~3名での利用が丁度よさそうです。

そうそう、お部屋に茶菓子として黒糖まんじゅうが用意されてます。そのまま食べることもできますが、自分で火を付けて蒸してから食べるとすごくおいしい。

部屋について荷物を降ろし、おまんじゅうを蒸しながらお茶を煎れると丁度蒸し上がる感じですね。
これを頂きながら館内案内を確認し、温泉の場所や種類、その他館内施設を確認するといい感じです。

酒好きにはたまらない、日本酒の有料試飲コーナー

今回会津若松に決めた理由には「日本酒が美味しい地域」というのがあります。

何かしら食事にあわせて日本酒を……と考えていましたが、庄助の宿 滝の湯の3Fには日本酒の有料試飲コーナーが設けられています。もうこれでいいじゃん、会津満喫じゃん。

注意点を挙げるとすれば試飲の利用に際して必要なコインはこのコーナーでは買えず、一度4Fのフロントでコインの購入を行う必要があります。
コインの購入代はお部屋に付けてチェックアウト時の精算でOKです。

左から「曙色梅酒」「天明 焔」「会津士魂 特別純米」「会津中将 純米吟醸」「からはし 純米吟醸」。
すべて会津のお酒ですね。まとめて飲み比べられるんですが、どれも美味しくて……。

ちなみにこちらの試飲コーナーですが、日本酒について解説するパネルなども掲出されているので、試飲とあわせ「自分の好みの日本酒が、どんな種類のものなのか」などを知ることもできます。

隙間時間は足湯を堪能

庄助の宿 滝の湯には2箇所の足湯があります。

写真の足湯は館内3Fの足湯で、こちらは完全に屋内なので天候・気温に左右されず足湯を堪能することができます。
1Fにも屋外に足湯がありますので、流石に混雑していてもどちらかは利用できるはず。

今回は足湯を利用しようと思ったタイミングで吹雪いていたので1Fの足湯は利用できず、3Fのこちらの屋内の足湯のみを利用しましたが、足湯……いいですね。実はこれが人生初の足湯体験でした。

温泉が混んでる時間や館内散策の隙間時間にこちらでのんびり暖まるのも贅沢な時間の使い方、過ごし方としてオススメです。
また通常時、21時から窓の向こうに見える能舞台でプロジェクションマッピングも実施されているので、それを見ながら足湯というのも良い過ごし方ではないでしょうか。
(宿泊当日は機材メンテでプロジェクションマッピングは休止で見られませんでした、残念)

プラン次第では部屋食も選べる!! 会津の黒毛和牛を堪能できる夕食

温泉宿に泊まったのであれば期待してしまうのが夕食です。

今回の宿泊プランでは夕食会場での食事だけでなく、部屋食を選ぶこともできたので迷わず部屋食を選択しました。
またメニューも選択肢があり、会津の黒毛和牛を堪能できるすき焼き・ステーキの献立を選択。
メニューの選択は当日ではなく、予約~宿泊の数日前までに連絡をしておく必要があります。予約サイトによって連絡方法は異なると思いますので、もし今後泊まる予定を立てる人がいれば要注意。

献立の詳細は写真の通り。
これに加えて飲み物は一杯サービスで、ビールも瓶と生から選べるとのことだったので迷わず生中ジョッキ!!特に前菜の鯉旨煮あたりはお酒の進む味。

一番の主役の会津産黒毛和牛のドアップ写真を撮り忘れるくらいに美味しい夕食でした。
牛肉も脂が甘く旨く、全然重たくなくて最高。もちろん米所だけあってご飯も美味しく、かなりボリュームがありましたがあっという間に完食です。

主役の温泉!! 滝を横目に入る露天風呂が最高

温泉宿に泊まる旅行なので主役は温泉です。

庄助の宿 滝の湯には大浴場が2箇所あります。この二箇所の大浴場は朝に男女が入れ替わるため、早起きさえできれば両方を堪能することが可能です。
翌朝の入浴時間は朝9時半までなのでゆっくり起きて朝食も食べて……だと入れませんので注意が必要です。(入れませんでした)

大浴場内は流石に写真を撮れませんので公式サイトの紹介を見てもらうのがベストなんですが、宿の横を流れる「伏見ヶ滝」を眺め、音を聞きながらの入浴はかなりの贅沢な時間です。
まだ雪も舞う2月の終わりだったので露天風呂では頭の上に雪を積もらせながらの入浴もたまらない時間でした。

そしてこちらは貸切風呂の「庄助の湯」。
貸切風呂はプランに含まれていれば追加費用なしで、事前に専用予約サイトから利用したい時間の予約を行うことができます。
当日の予約は18時以降にフロントで早い者勝ちで予約することも可能です。

今回選んだ「庄助の湯」ですが、特徴的な湯船は会津の酒蔵「宮泉酒造」から譲り受けた麹釜。宮泉酒蔵ってアレですよ「写楽」を作っている酒蔵です。つまり、これに入った俺は写楽になったのだ……。

そしてお風呂場からの景観はこんな感じ。
伏見ヶ滝を挟んで向かい側の竹林はライトアップされ、雪も相まってなんとも幻想的な風景を眺めながら、麹釜いっぱいの温泉に肩まで浸かって過ごすってもう贅沢すぎるでしょ……。

なお、温泉の入口には「湯上がり処サービス」として、麦茶に加え「ビール」「ソフトクリーム」のサーバーが設置されています。
ビールとソフトクリームの提供時間は19時までと時間制限があり、日が暮れてのんびり温泉に浸かった後に堪能できないのは少々残念ですが、14時にチェックインから18時以降の夕食までの時間に入浴した際には是非利用したいサービスです。
(なお、ビールの銘柄はプレモルでした。プレモル苦手なんだよなぁ……

つきたてのお餅が売りの朝食

色々お酒を飲んで温泉を堪能しまた酒飲んで~……とやっていたもう翌朝です。朝の楽しみといえば朝食、温泉宿の朝食なんてもう期待する以外にないですよね。

庄助の宿 滝の湯の朝食の売りは「つきたてのお餅」です。

きなこ、あんこ、うぐいす、そして納豆と、つきたてのお餅の食べ方も複数用意されていて、おかわりも自由なので朝からおなかがとことん膨れるまでお餅を食べることができます。

納豆は大好きですがお餅と組み合わせたことってなかったので「この機会に」と食べたんですけどめっちゃおいしいですね。白米+納豆と同じようなモノな気もするんですが、お餅のねばりと納豆のねばりが絡み合って、なんだかスゴく朝から元気になる組み合わせです。

きなこやあんこのお餅は朝食におけるデザート枠。個人的にあんこがこしあんだったのがすごく嬉しい。粒あん、嫌いじゃないんですけど奥歯に挟まったときの不快感が……ね?

お餅以外は「会津郷土会席料理」のプレートが用意されていて、どれも一口大に身体に優しそうなメニューが提供されています。
またバイキング形式で豚汁やお味噌汁、煮物なども用意があるのでこれでもか!というくらい、おなかいっぱい食べる事ができます。(食べ過ぎました)

ちなみに朝食ですがチェックイン時に「早めに会場に行った方がいい」と案内がありました。
案内があったにも関わらず結構ギリギリになって行ったんですが、一通り気になるものを取ったタイミングで「納豆のお餅終了です」等、いくつかのメニューの品切れのアナウンスが。
ぜひ、宿泊される方は8時半より早いくらいの時間に朝食会場へ行った方がいいですね。

朝食の後は部屋に戻ってパッキング、あとはチェックアウトです。
温泉の項で書いた通り、大浴場は9時半までの利用なのでギリギリまで温泉も楽しみたい人はもう少し早い時間に朝食を摂ってから向かいましょう。

近場で穴場、会津若松は観光資源も豊富でオススメ

会津若松までの移動時間は関東圏からなら2時間強。週末パスのようなおトクな切符もありますし、今回泊まった「庄助の宿 滝の湯」も1泊1人あたりは2万円くらいからとそこまで高くありません。
2月の終わりでも雪景色は楽しめましたし、もしこれが夏場であっても伏見ヶ滝を見聞きして得られる涼感の心地よさもきっと高いと思われます。
ここまでに紹介した通り、温泉のバリエーションや食事の内容、またお酒好きであれば酒蔵の多い地域なので美味しい日本酒に出会える点でも、かなり満足度の高い旅行プランではないでしょうか。

直近3年はなかなか旅行に行くことも躊躇われ、久しぶりの旅行らしい旅行だったことも高い満足度に繋がった理由だとは思いますが、それを差し引いても会津若松・東山温泉は「近場」で「穴場」だと思います。

また今回は時間の都合諦めましたが、会津若松には「鶴ヶ城」や明治初期に起きた「戊辰戦争」にまつわる観光名所も多いなど観光資源も豊富です。
市内循環バスなど旅行の足も充実していますので、箱根や草津、湯沢以外の旅行先として検討する価値は高いので是非。