ここ数年、普段の移動にシェアサイクルを使うことが増えています。
主に使う場面は東京都内の移動で、山手線の2駅くらいの距離なら自分の現在地次第ですが、駅へ向かって2駅ほど移動して、さらに目的地へ向かうより、近くのポート(駐輪場)から目的地付近のポートまで自転車移動してしまった方が早いんですよね。
そんな「ちょい乗り」が便利なシェアサイクルですが、最近は「東京都内からさいたま市の自宅までの足」で何度か利用しています。
ざっくり片道30~40kmほど。時間にすると2~3時間くらいのふらり一人旅です。
なぜ、シェアサイクルで埼玉の自宅へ帰るのか
シンプルに言ってしまうと「電車がもうないから」です。
終電が行ってしまう前にちゃんと帰りましょう。これはその通りなんですが、筆者の自宅最寄り駅まで行く電車の終電は上野から23時38分発と終電としては結構早い時間に終わってしまいます。
幸いにも大宮駅から筆者宅まではタクシーでも1,500円ほど。歩いても1時間くらいで帰れる距離なので、大宮までは帰れる終電であれば0時過ぎでも大丈夫だったりするのですが、コロナ禍で生活様式が様変わりしたことを受け、鉄道各社は今後のダイヤ改正で終電時間を繰り上げる発表をしていますので、今後はより筆者が「終電がない」と嘆くことが増える気がしています。
繰り返しますが「終電が行ってしまう前にちゃんと帰りましょう」なんですが、もしも終電を逃した場合に「何が何でも自宅に、その晩の間に帰る手立て」として、シェアサイクルを利用して帰るのが現実的かを試したわけです。
HELLO CYCLINGを利用する
都内でシェアサイクルを利用するとなると「ドコモ・バイクシェア」がエリアも広く利用しやすいのですが、同サービスは埼玉県内では提供されていません。
そこで利用したのがOpenStreet株式会社が展開している「HELLO CYCLING」です。
確か2018年春頃くらいからさいたま市内でも主にセブンイレブンにポートが設置され始め、同年の秋から「さいたま市シェアサイクル普及事業実証実験」なんてものも行われているので、さいたま市内のシェアサイクル=HELLO CYCLINGというくらいに、最近ではあちこちにポートも利用者も見かけるようになりました。
いつの間にか、筆者の住まうマンションの敷地にもポートが設置されているのでかなり便利に使っています。
HELLO CYCLINGも基本的な仕組みはドコモ・バイクシェアと同じ。
街中に設けられた専用の駐輪場(以下、ポート)で自転車を借り、返却も目的地付近のポートに戻すだけ。
「借りた場所に戻さないでいい」のはレンタカーのワンウェイと同じ仕組みなので、これが便利で移動の足にするには丁度いいのが筆者が気に入っている理由でもあります。
料金は70円/15分。駅間の移動なら30分もかからず移動できるので電車に乗るよりも安く済むのもいいですね。
自宅までのルートの悩み
東京都内からさいたま市の自宅までのルートが毎度の悩みです。
筆者の行動圏は山手線の西部なら池袋から新宿。東部だと上野~秋葉原が中心です。
それ以外にいる場合でも「都内のどこかへ行ける終電」が残っていればこれらの駅に出ることはできるため、HELLO CYCLINGを利用して東京都内からさいたま市の自宅へ帰るスタート地点にはだいたい立つことができます。
(駄目なときは素直にアパにでも泊まってしまう選択肢を選びます)
そしてさいたま市へ帰るにはどうしても荒川越えが発生します。
これは完全に筆者がビビりなだけですが、夜の川や海ってなんとなく苦手なので「渡るならさっさと渡りたい」ですし、なんとなく「渡りやすそうな橋」を通って帰りたくもなります。
というわけで、東京都内からさいたま市へ帰るルートですが
池袋方面→さいたま市
・国道254号から国道17号へ入り、笹目橋を通って北上
・明治通り(都道305号)を進み、国道17号(中山道/白山通り)へ入り戸田橋を通って北上
上野・秋葉原方面→さいたま市
・東北本線に沿って北上し、赤羽から新荒川大橋を通り埼玉へ
(そのまま122北上だと岩槻に抜けてしまうので、早々に17号に入って北上)
みたいなルートが思い浮かびます。
太字で書いたのが、さいたま市民だと車移動でも馴染み深い荒川を越える橋じゃないかなと。
そしてこの3つの橋を通るルートを実際に走ってみたのですが、もっとも楽なのは戸田橋ルートです。
HELLO CYCLINGに限らず最近のシェアサイクルの利点は電動アシスト付の自転車が利用できることですが、同時に弱点でもあります。
バッテリー残量がフルの状態で走れるのはだいたい40kmほど。都心から自宅までの距離がだいたい30km~40kmなので、フル充電のバッテリーでも自宅近くに着いた時点で残量が30%以下か、劣化状況次第ではほとんど空になってしまうのです。
なので「途中で自転車を乗りかえる」ことが必要になります。
そして戸田橋の場合、橋の近くのポートが充実しているため、バッテリー残量が心許ない場合、埼玉に入る前に乗りかえが可能です。
笹目橋ルートでも橋の前後にポートはあるのですが、笹目橋に自転車で入るのは少し面倒があったり、戸田橋に比べ橋自体の距離やさいたま市の自宅までの距離が遠いので「戸田橋が通れないときに使うルート」くらいに覚えておくといいかなと。
最後に、新荒川大橋。
この3つの橋の中ではもっとも距離が長く橋の前後にポートも充実していないため、乗りかえの勝手もよくないのでできれば避けたいルートです。
また、例えば上野方面から赤羽に抜けるルートの舗装状態もよくない場所が多いため、深夜の暗がりの中で自転車を漕ぐにはちょっと怖いなぁ…と。
そもそも上野~赤羽間は新荒川大橋の前後に限らずポートが少なめです。
特に日暮里以北は厳しく、深夜帯なので幹線道路からはずれてポートがあるであろう住宅街のコンビニなどに立ち寄るのも微妙かなぁ…と。
なので、もし東京都内からさいたま市(または川口や蕨など、埼玉県南部のJR線沿い)へHELLO CYCLINGを利用して帰る場合は、国道17号を通って戸田橋を通るルートがオススメです。
このルート唯一の注意点があるとすれば
池袋からのルート… 板橋ジャンクション下(板橋区役所過ぎた直後)で迂回が必要
上野方面からのルート… 東大前で左折しないと迷う
あたりでしょう。知っていればハマらないので「HELLO CYCLINGで帰ることがあるかも!」という人は、事前に当該箇所をマップで見ておくのがオススメです(そんな人、いっぱいいて欲しくない)
ちなみに橋を3種類通るために、今年だけで3度も東京都心からさいたま市の自宅へ、深夜HELLO CYCLINGを走らせているわけですが。
だいたい全行程の半分、15km~20kmほど漕いだあたりでお尻が、次に腰が痛くなってきます。
また、直近では昨晩(10月18日~19日)に試したわけですが、深夜に自転車漕いでると体感温度は真冬になるのでしっかりと防寒していないままに挑戦するのはやめましょう。
所要時間はどのルートでもだいたい2時間~2時間半くらい。
HELLO CYCLINGの料金が70円/15分なので、600~700円くらいでさいたま市までは帰ることができます。
普通にJRに乗った際の電車賃とも差はあまりなく、真夏でも終電が終わった後の時間からスタートすればギリギリ日の出前には自宅に帰り着けますので「朝帰りはしたくない人」はぜひチャレンジしてみてください。