YAMAHA NVR510/NVR700Wが「OCNバーチャルコネクト」に対応したので設定。回線速度はちょっと改善。

PC

YAMAHA製のVoIPルーター「NVR510」と「NVR700W」の最新ファームウェアが公開されました。
NVR510向けがRev.15.01.15、NVR700W向けがRev.15.00.16です。

今回のアップデートの目玉と言えるのが「OCNバーチャルコネクト」への対応。
RTX1210とRTX830への同機能への対応予告は行われており、6月末には対応ファームウェアがリリースされていましたが、ネットボランチ(NVR)シリーズへの提供予定の予告はなかったため、かなりやきもきしていたところ、しれっと対応しました。

OCNバーチャルコネクトって?

スゴい雑に説明をすると、従来のインターネット接続方法のPPPoEは渋滞しがちで速度が出づらいので、別の方法を使ってネットに繋ぐと渋滞回避できるよ~といったもの。
数年前からネット回線を高速化する方法として「DS-Lite」とか「MAP-E」とか呼ばれ、一部で流行っていたやつと似たようなものです。技術的には「IPv4 over IPv6」で包括して呼んでますけども、そのへんの話は適当な記事を読んでもらった方が早いかも。

IPv6・IPv4とは? IPoE・PPPoEとは? その違いを解説
次世代インターネット接続方式の概要を理解するには、IPv4とIPv6の違い、さらにはPPPoEとIPoEの違いを理解しておく必要があります。また、「IPv4 over IPv6」という技術についても知っておいてください。

筆者の専門ではあるものの、当ブログの趣旨からは外れてしまうので詳しいことは書きませんが、NTT系のプロバイダーではある一時を境に、こうした高速化は「OCNバーチャルコネクト」を利用するようになっています。
NTT東西で販売されるルーターや対応を謳う製品であれば面倒な設定もなしにOCNバーチャルコネクトは利用できますが、筆者宅で活用しているYAMAHA製のルーター「NVR510」は従来、OCNバーチャルコネクトに非対応だったため利用することができませんでした。

筆者宅のネット環境

簡単にですが
 ・回線事業者 … ドコモ光 集合住宅1G(NTT東日本 コラボモデル回線)
 ・ISP … ドコモnet
 ・回線終端装置 … 小型ONU
という感じ。
宅内のゲートウェイとしてNVR510が最上位にいる状態ですね。

PPPoEによる通信速度

NVR510からそのまま、PPPoEでIPv4で接続した状態の速度がこちら。
極端に遅いというわけではないのですが、曜日・時間帯によっては下り100Mbpsを切ることもあるので、ここは「平均して速くなりそうなら設定しておきたいな」という感じ。

NVR510にOCNバーチャルコネクトを設定

NVR510あたりをキーワードにこの記事に辿り着く人にGUIでの設定手順をつらつら書く必要もないと思うので、サクッと今回流し込んだConfigは以下の通り。
ぶっちゃけマニュアルのまま流し込むんで問題ありませんが、WANポートではなく筆者の用に小型ONUを利用している場合「lan2」を「onu1」に置き換える必要があります。(置き換えたものが以下のもの)

[code language=”shell”]
# IPv6関連設定
ipv6 prefix 1 ra-prefix@onu1::/64
ipv6 lan1 address ra-prefix@onu1::1/64
ipv6 lan1 rtadv send 1 o_flag=on
ipv6 lan1 dhcp service server
ipv6 onu1 dhcp service client ir=on
dns server dhcp onu1

# IPv4関連設定
ip route default gateway tunnel 1
ip lan1 address 192.168.100.1/24
tunnel select 1
tunnel encapsulation map-e
tunnel map-e type ocn
ip tunnel mtu 1460
ip tunnel nat descriptor 1000
tunnel enable 1
nat descriptor type 1000 masquerade
nat descriptor address outer 1000 map-e
dhcp service server
dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent
dhcp scope 1 192.168.100.2-192.168.100.191/24

# IPv4フィルター関連設定
ip tunnel secure filter in 200030 200039
ip tunnel secure filter out 200097 200098 200099 dynamic 200080 200082 200083 200084 200098 200099
ip filter 200030 pass * 192.168.100.0/24 icmp * *
ip filter 200039 reject *
ip filter 200097 pass * * icmp * *
ip filter 200098 pass * * tcp * *
ip filter 200099 pass * * udp * *
ip filter dynamic 200080 * * ftp
ip filter dynamic 200082 * * www
ip filter dynamic 200083 * * smtp
ip filter dynamic 200084 * * pop3
ip filter dynamic 200098 * * tcp
ip filter dynamic 200099 * * udp

# IPv6フィルター関連設定
ipv6 onu1 secure filter in 200030 200031 200038 200039
ipv6 onu1 secure filter out 200099 dynamic 200080 200081 200082 200083 200084 200098 200099
ipv6 filter 200030 pass * * icmp6 * *
ipv6 filter 200031 pass * * 4
ipv6 filter 200038 pass * * udp * 546
ipv6 filter 200039 reject *
ipv6 filter 200099 pass * * * * *
ipv6 filter dynamic 200080 * * ftp
ipv6 filter dynamic 200081 * * domain
ipv6 filter dynamic 200082 * * www
ipv6 filter dynamic 200083 * * smtp
ipv6 filter dynamic 200084 * * pop3
ipv6 filter dynamic 200098 * * tcp
ipv6 filter dynamic 200099 * * udp
[/code]

#IPv6設定 の部分は、すでにIPv6開通済みかつ設定済みの場合はちょっと手を入れないとダメなので要注意。
一度GUIでIPv6のIPoE設定を消してから流し込むのがベスト。

設定後の速度とか

ちゃんと設定できているか確認するためにOCNの「IPoE接続環境確認サイト」で確認した結果が以下の通り。

「OCNのIPoE(v4 over v6)接続をご利用いただきありがとうございます!」と出てきてるので設定は問題ありません。
その上で速度を測定してみたのがこちら。

下りで200Mbps弱、上りで50Mbpsくらいの改善です。
設定したのは金曜日なので、金~日と3日間使っていて、何度か測定してますが平均してこのくらいの速度が出ています。
元々そこまで速度に不満があったわけではありませんし、体感速度での差もないのでなんともですが、数字で見る限りでは改善しているので効果はあると思ってます。


4年くらい前に契約したドコモ光・ドコモnetの頃はNVEがINTERNET MULTIFEEDだったのでDS-Liteでいけたんですけども、昨年引っ越して引き直したドコモ光・ドコモnetのNVEがNTTぷららになってしまいOCNバーチャルコネクトを使うしかなく、そして使えない状態だったのでやきもきしていたのがやっと解消されました。

流石にNVR510を一般家庭に置きましょう!はちょっと敷居が高いのでオススメはしませんが
・DS-Lite
・MAP-E
とか
・v6プラス
・OCNバーチャルコネクト
などなど、このへんに対応と書いてあるルーターに買い替えてみると家のインターネットが快適になる可能性は大いにあります。
とくに家で動画配信サービスをヘビーに使う人なんかはルーターの買い替え、見直し、検討してみてはどうでしょうか。

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