日本国内でも2020年6月12日に発売が予定されている「HUAWEI P40 Pro」。
発売に先駆け海外版をファーウェイ・ジャパン様からお借りし試すことができました。
「海外版」という特性上、モバイルネットワークへ接続しての利用やWi-Fi接続しての利用は難しいため、今回は本体各部のご紹介と、売りのカメラを先代の「HAUWEI P30 Pro」と比較しながらレビューしていきます。
HUAWEI P40 Proのスペック
OS | EMUI 10.1(Android 10ベース) |
---|---|
CPU | Kirin 990 5G |
RAM | 8GB |
ROM | 256GB |
外部ストレージ | 対応・HUAWEI NMカード(最大256GB) |
ディスプレイ | 6.58インチ 有機EL (1,200×2,640px) |
アウトカメラ | 5,000万画素 広角 F1.9 (光学式手ぶれ補正あり) |
4,000万画素 超広角 F1.8 | |
1,200万画素 望遠 F3.4 (光学式手ぶれ補正あり) | |
3D深度測定カメラ | |
インカメラ | 3,200万画素 F2.2 |
深度測定カメラ | |
バッテリー容量 | 4,200mAh |
急速充電 | 対応・HUAWEI SuperCharge(最大40W) |
ワイヤレス充電 | 対応・Qi/HUAWEI Wireless SuperCharge(最大27W) |
防水・防塵 | 対応・IP68 |
SIMカード | nanoSIM×2(SIM2はHUAWEI NMカードと排他) |
生体認証 | 顔認証・画面内指紋認証 |
本体サイズ(幅×高さ×厚さ) | 72.6×158.2×8.95mm |
本体重量 | 約209g |
2020年のフラグシップモデルらしいてんこ盛りスペック。特に売りのカメラは、2,000万画素を超える4,000万画素や5,000万画素のものを複数搭載しているのは他のメーカーにはない強み。
本体重量は約208gと重量級ながら本体幅はHUAWEI P30 Proと比較して0.4mmスリムになるなど「ただ載せればいい」ではない、ユーザビリティを考えたら努力が窺えます。
HUAWEI P40 Proの外観をチェック
続いてHUAWEI P40 Proの外観をチェックしていきます。
ディスプレイ上部、デュアルになったインカメラが特徴的な正面。
実機の写真ですが、CGのように見えるくらいに有機ELディスプレイの発色は優秀です。
背面の基本デザインは2018年発売のP20シリーズを踏襲。
カメラ部分は他社同様に一段盛り上がった主張の強いデザインに改められているのがP40 Proの特徴ですね。
ロゴが横に配置されているため、横に構えた状態がデザインとしては正しい向き。
主張の強いカメラ部分も横向きで見ると「デジカメ然」としており、このスマートフォンの強みがカメラであることを直感的に伝える優秀なデザインです。
レンズ部分を中心に同心円に広がるデザインのメカっぽさや高級感を感じられます。
本体下部にはUSB Type-Cポート、nanoSIMカード/NMカードスロット、スピーカー。
上部にはP40 Proでも赤外線ポートが配置されており、従来モデル同様にリモコンアプリで家電の操作が可能です。
ボタン類は本体右側面に集中しています。電源ボタンに色が配されているのもHUAWEI機種の特徴ですね。
nanoSIM/NMカードスロットはトレー式。両面にnanoSIMカードを取り付けるタイプで、裏面はnanoSIMカードとHUAWEI NMカードの排他利用になっています。
HUAWEI P40 Proのカメラをチェック
HUAWEI P40 Pro、一番の売りであるカメラを試してみました。
ちょうど手元にドコモ版の「HUAWEI P30 Pro HW-02L」があるので撮り比べながら、HUAWEI P40 Proのカメラの実力をチェックしていきます。
なお、特に表記ない限りカメラモードはセットアップ直後の初期状態で撮影しています。
日中の作例
まずは日中の作例から。近所に被写体に丁度いい公園があって助かります。
まずは公園のボート池を、広角カメラ・超広角カメラで撮影。
P30 Proの超広角カメラの作例を見るとわかるのですが、日が傾きだした時間帯に西に向けてカメラを向けたため、若干ですが逆光気味での撮影になっています。
この状態で木の葉を見るとP40 Proの方が暗部が潰れることなく補正されているのがわかります。
公園近所の神社の参道でも撮ってみましたが、こちらもP40 Proの方が明るく鮮やかに撮れています。
HUAWEIのスマートフォンのカメラといえば「SNS映えするビビッドな写真が撮れる」ことが評価されています。今回の作例でも「より明るく撮れたP40 Proは、さらにビビッド(悪く言えばコテコテ)に撮れるのか」と思ってしまうのですが、風景を撮る限りは「見た目」に近いように感じています。
確かに最初の作例のように「黒潰れしやすい、逆光の木の葉」をHDRで明るく補正などは行っているのですが「とりあえず、色濃いめ」のような雑な鮮やかさではなく、見たままの再現を大前提に、そこから記憶で補完してしまう艶やかさを写真に残すような写りになっています。
望遠・ズームを試す
HUAWEI P30 Proから「AIを活用し、デジタルズームでもキレイ」を売りにしているHUAWEI。
それは今回のHUAWEI P40 Proでも同じです。
搭載されている望遠レンズは、広角レンズ換算で5倍ズーム。
光学レンズとデジタルズーム組み合わせ、AIを活用しいい感じに仕上げる10倍ズームのハイブリッドズーム。
そして画質よりも寄ることを徹底した50倍ズームが行えるデジタルズーム。
この3つをP40 ProとP30 Proで試してみました。
望遠カメラでの作例も、広角・超広角カメラと同様にP40 Proの方が鮮やかな写りに。
ソフトウェア補正が大きく働くハイブリッドズームも色や明るさの傾向に大きな差はありませんでした。
そしてカメラセンサーの中央部を切り取り、引き延ばして「50倍相当」として記録するデジタルズーム。もちろん、切り出した画像を保存する際にも一定の補正が行われているわけですが、P40 Proの方がシャープネスの効いた、遠目に見れば「デジタルズームとはわかりづらい仕上がり」で撮影されるのはP30 Proからの進化ポイントと言えます。
HUAWEI P40 Pro・P30 Proでラーメンを撮り比べる
風景と同じくらいスマートフォンで撮影することが多いのが食事。
SNS映えを狙うなら、深夜帯に美味しそうなラーメンの画像を撮ってアップできるかは欠かせずチェックしておきたいところ。
これも結果でいえば「P40 Proの方が色再現性が高い」と感じる作例です。
P30 Proも明るく、チャーシューやスープの「脂」感もキレイに映してくれているものの、全体的には黄色っぽい写真になっています。
これは店内の照明が暖色系かつ薄暗いためそこに引き摺られたものだと考えられますが、そうした低照度下でもホワイトバランスが破綻せずに撮影できるP40 Proのカメラは「食事向きのカメラ」を搭載していると評価できます。
(なお、肝心のラーメンはそんなに美味しくありませんでした。)
よりノイズの少ない夜景が撮れるようになったHUAWEI P40 Pro
最後にスマートフォンのカメラが最も苦手とする夜景の作例で、HUAWEI P40 Proのカメラの進化をチェックしていきます。
まずはどちらも撮影モードは通常で、自動認識で「夜景」として撮影した作例から比較していきます。
P30 Proでも十分にキレイな夜景が撮影できています。一昔前の「夜景といえばノイズだらけ」から比較すれば十分過ぎるほど。
しかしP40 Proはその上をいく写りで、広角・超広角のどちらであってもP30 Proよりも明るく、特に暗所のノイズはより目立ちづらくなっています。
続いて「夜景モード」でも撮影を試してみました。
夜景モードを明示的にオンにした場合、シャッターボタンを押した後、2~10秒ほど露光し、階調補正やノイズ除去を行ってキレイな夜景撮影が行えます。
長時間露光の天敵である手ぶれを防ぐため、今回は三脚に固定して撮影を実施。
夜景モードでは手持ちでの撮影以上にP40 ProとP30 Proの撮影性能の違いを確認することができます。
ビルのディテールはP40 Proの方がハッキリしていますし、空のグラデーションのなめらかさ、暗所のノイズも少なくなっている点に注目です。
もちろん手持ちでも十分にキレイな、一昔前のスマートフォンでは考えられないくらいキレイな写真を撮影できるのは「HUAWEI Pシリーズ」として期待されている部分を、今年もしっかりと進化させてきているのは好印象です。
「HUAWEI P40 Pro」は本体デザインやカメラ機能など、市場に求められている「HUAWEI Pシリーズ」のイメージを崩すことなく、2020年もしっかりとブラッシュアップを行い上手にパッケージングされた一台です。
惜しむべきは約一年前から続く米国との取引禁止処置の影響で、Googleモバイルサービス(GMS)に非対応なこと。
使い慣れたGmailアプリなどGoogle謹製のアプリケーションが利用できず、Google Playも利用できないため、アプリのインストールはAPKファイルでのインストールを行うか、HUAWEI独自のアプリストア「HUAWEI AppGallery」を利用しなければなりません。
HUAWEI AppGalleryでは「LINE」や「メルカリ」など、お馴染みのアプリの配信がスタートされてはいるものの、まだまだ「Google Playと同じだけ」のアプリが揃っているわけではありません。
また、GMSに依存するアプリ・ゲームはインストールが行えても利用できないといった制約もあります。
「誰でもキレイに写真が撮れる一台」として、万人に「カメラが一番いいスマホはこれ」とオススメしたい一方で、使い馴染んだアプリが利用できないかもしれないという玄人向け仕様になっていることが惜しくて仕方がありません。
GMSとカメラ、GMSと高性能、どんな組み合わせでもHUAWEI P40 Proの魅力とGMSを天秤にかけて選ぶ必要はありますが、2020年前半のスマートフォン史上最高・最強のカメラは機会があればぜひ多くの人に試して欲しいと思います。
HUAWEI P40 Proは本日からAmazon.co.jpなどで予約受付が開始されています。
Amazon.co.jpでは数量限定でワイヤレスイヤホン「FreeBuds 3i」がほぼ無料でついてくる数量限定セットも用意されていますので、購入を決めている人は早めの予約がおすすめです。