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Topton N17で組む小型PC – ES版モバイルRyzen搭載のキワモノマザーボード

PC

少し前にメインPCの組み替えを行ったところ、年始に散々在庫を探し回って買ったケースが余ってしまい、何かに使えないかな~と考えて前々から気になっていた変なマザーボードを買ってみました。

今回購入したのは中国「Topton」の「N17」というmini-ITXマザーボードです。
いわゆる「MoDT」、モバイル向けのCPUをデスクトップPC向けのマザーボードに取り付けた製品です。そして中国らしく、エンジニアリングサンプルのCPUが使われているというキワモノ。
ちょっと前にSNSを中心に話題になっていたマザーボードで、国内でもユーザー数は多そうですが、意外とネット上に情報もなかったので備忘録も兼ねて紹介します。

Topton N17 – Ryzen 9 7940HS ES搭載モデル

Topton N17はモバイルPC向けのAMD Ryzenシリーズを搭載したMoDT mini-ITXマザーボードです。
今回購入したのは「Ryzen 9 7940HS」のES版搭載モデル。ES版でないCPUを搭載したSKUもありますし、最近になって「Ryzen 8000シリーズ」を搭載したSKUも追加されたようです。

対応メモリはデスクトップ向けのDDR5(DDR5 DIMM 288pin)で、メモリスロット本数は2本。最大容量は不明ですが、Ryzen 9 7940HSの仕様に準拠と考えた場合は最大256GBまで。スロット本数を考えると64GB×2の128GBが上限になると思われます。(未検証)

拡張スロットはmini-ITXなので1本。PCI Express 4.0に対応し、スロットサイズはx16、速度としてはx8です。

ストレージはSerial ATAが4ポート、M.2 NVMe SSDは2本でサイズはどちらも2280まで。小型のマザーボードですが、ストレージは結構な台数を積むことが可能です。

パッケージは茶箱

パッケージは無地の茶箱。特にカラー印刷されたスリーブに入っているとかもありません。

CPUソケットの位置にでっけー見慣れないものがあります

マザーボード本体も作りは至ってシンプル。普段ならCPUソケットがある位置に見慣れないものがありますが、ここにモバイル向けCPUが直付けされています。
モバイル向けCPUはコア部分が露出していて扱いづらいため、ヒートスプレッダとして金属板が取り付けられているわけです。

自作慣れした人ならすぐわかると思いますが、CPUのリテンションはAM4/5と共通です。適当な手持ちのAMD Ryzenシリーズに対応したCPUクーラーをそのまま取り付けることができます。

2本目のM.2 NVMe SSDは背面に。

N17の背面側。特に大型のバックプレートなどはないシンプルな見た目です。2本目のM.2 NVMe SSDは背面側に取付です。

付属品も最低限

付属品も最低限といった感じですね。この手のマザーボードだとついていないものも多いI/Oパネルカバーがちゃんと付属している点は高評価。ただ、昔ながらの金属板なので一部は曲げたり切ったりしないとダメですし、エッジも尖っているので指を切らないよう扱いに注意は必要です。

Wi-Fi/Bluetooth用のアンテナも付属していますが、ワイヤレスのカードは別売りです。適当なIntel AX200シリーズのカードなどを買って取り付けるといいでしょう。

映像出力が3ポートもあるのはちょっと珍しい

続いて背面ポート。HDMI×2、Displayport×1で映像出力は合計3ポート。今回選んだRyzen 9 7940HSの内蔵GPUのRadeon 780Mは(モバイル向けとしては)パワフルなので、ビデオカードなしでもマルチディスプレイ環境を構築しても快適に使えます。

イーサネットポートは2ポートとも最大2.5Gbps。USBは2.0ポートが4つ、3.2 Gen 1が2つ。USB 3系のポートが2つは少ないかな?と思いましたが、デスクトップPCなのでそんな色々USBで繋ぐこともないので特に問題はなさそうです。

N17で唯一貧弱に感じたのはフロントI/Oポート。もっと具体的に言うとUSBポート。

最近のケースはフロントI/Oが「USB Type-C×1、USB Type-A×2」になっているものが多く、大手メーカーのマザーボードもそれに倣ってフロントI/O用のUSBヘッダーで、USB Type-CとUSB Type-Aが使えるようになっています。

が、N17はフロントI/O用のUSBヘッダーが「USB Type-Aの2.0、または3.0」で、USB Type-Cがありません。

そこで今回はAINEXの「内部USB3.0 – フロントUSB Type-Cヘッダー変換アダプタ USB-025」と「ケース用USB3.0アダプタ USB-010B」を使い、USB 3.0 Type-AのヘッダーをUSB Type-Cに、USB 2.0 Type-AのヘッダーをUSB 3.0のケーブルが取り付けられるようにしました。

これでケースのフロントI/Oに備わったUSBポートをすべて使うことができます。ただ、ケース側のUSB Type-Aポートは3.0でも内部的には2.0に繋がっているので、転送速度は遅くなります。
フロントI/OのUSBポートに高速なストレージを取り付けることはほぼないですし、速度が必要であればUSB Type-Cを使えばいいので実用上はこれで問題ないでしょう。

Ryzen 9 7940HSの仕様上のTDPは35~54W。モバイル向けCPUだけあってそこまで消費電力は高くなく、CPUクーラーも割と適当なものを取り付けるので問題ないでしょう。

手元にAM4/5世代のRyzenのリテールクーラーが転がっていなかったので、今回はAmazonで安いときに拾って積んでいたThermalrightのPHANTOM SPIRIT 120 SEを取り付けました。
最近人気の高いヒートシンクがツインタワーになっているサイドフロー型の空冷クーラーです。

前面ファンとメモリが干渉してしまう……

ここでちょっととほほな話をしておくと、PHANTOM SPRIT 120 SEの前面ファンがメモリに干渉してしまいます。
ファン位置を上にズラすことで干渉を回避できるかなと思ったのですが、そうすると今度はケースのサイドパネルに当たってしまったため、今回は前面ファンを中央に、中央ファンを背面に1列ずつズラして対処しました。

……CPUクーラーはそのうち、もっとコンパクトなものに取り替えようと思います。

一通りパーツを組み付けるとこんな感じ

そんな感じで、N17を余らせてしまったDEEPCOOL CH160 MESHに組み込んだ状態がコレ。

PHANTOM SPRIT 120 SEのおかげで結構ギチっとした詰まり具合になっていますが、まだビデオカードを取り付けていないのでケースの下半分はスカスカです。

現時点の構成は以下の通り。

OS Windows 11 Pro
CPU AMD Ryzen 9 7940HS ES(オンボード)
マザーボード Topton N17
メモリ 合計64GB(Crucial CT32G48C40U5×2)
ビデオカード 無し
SSD(Boot) Western Digital SN750 500GB
SSD(Data) Crucial P1 1TB
CPUクーラー Thermalright PHANTOM SPIRIT 120 SE
電源ユニット NZXT C750(H1 V2 付属品)
ケース DEEPCOOL CH160 MESH

基本的に手持ちのパーツを適当にN17にひっつけていって組んだ感じですね。

Ryzen 9 7940HSの内蔵GPUがRadeon 780Mで、軽めのゲームならビデオカードなしでもフルHD解像度までならそこそこ遊べます。といっても30fpsを割らない程度で遊べます~といった具合なので、なんか適当なビデオカードはそのうち買ってきて載せてやろうかなと考えています。

キワモノ枠……にするのはちょっと失礼な気がしますが、アンダー5万かつPCI Express 4.0 x8で動作して、フルHDまでなら快適そうなビデオカード・GPUだと「Intel Arc B580」あたりを検討中です。

ES品のCPU、Windows上での認識はどうなるか

冒頭含め何度か書いている通り、今回買ったN17に載っているCPUはRyzen 9 7940HSのES品。この行儀の悪さが魅力なんですが、Windows上での認識、動作は気になります。

表示としては「AMD Eng Sample: 100-000000954-50_Y」となり、これだけ見ても何がなんだかサッパリです。UEFI、POST画面でも同様の表示です。

Ryzen 9 7940HSの仕様が「8コア・16スレッド」で、Windows上でもコアは8個、論理プロセッサ数は16個と表示されるので、とりあえずちゃんと動いているようです。

CPU-ZでもES品表示
内蔵GPUはちゃんとGPU-Zで、Radeon 780Mと表示されました

ついでにCPU-ZとGPU-Zでも確認。

CPU-Zでは「AMD Eng Sample: 100-000000954-50_Y」に加え「(ES)」とも表示されています。動作クロックなど諸々の情報からは「Ryzen 9 7940HSだな」と推測はできますね。
GPU-Zでは内蔵GPUのRadeon 780Mを確認しましたが、こちらはちゃんと表示されています。

表示こそES品だな~と感じるアレな状態ではあるものの、とりあえず普通には使えます。

あと、これはCPU表記に全く関係ない話ですが、ソフトウェア的な面では「だいたいがWindowsのインボックスドライバーで動く」んですが、不明なデバイスとして表示されるものは、適当なマザーボードメーカーの、適当なAMDチップセット搭載マザーボード向けに用意されている、AMD Chipset Driverをインストールすればデバイスマネージャー上の不明なデバイスを消すことはできます。

パフォーマンスも「想定通り」

最後にちょろっとパフォーマンスの話も。
ガッツリベンチマークを走らせて……は面倒なので、比較スコアは過去に外部でレビューした、近しいPCのベンチマークスコアと比べてください。

構成の部分でも書いている通り、将来的には適当なビデオカードを載せて適当にゲームを遊ぶようとして使うつもりなので、3D系のベンチマークスコアはそこまで個人的には重要視していません。

が、CPUは「Zen4世代のスコアだね」「PCMarkもCPUのバリアントからしたらこんなもんだね」という、概ね想定通りのスコアが出ているので満足です。

4万円でマザボ+CPUならお買得

すっかり書くのを忘れていましたが、Topton N17の価格はだいたい4万円前後。載ってるCPUやセールの有無で多少値幅はありますが、4万円あればモバイル版Ryzen 7000シリーズが載ったSKUを買えるはずです。

Ryzen 9 7940HS、だいたい性能的にはデスクトップ向けのRyzen 7 7700あたりと同等くらい。
海の向こうから輸入すれば2.5万円、国内でボックス版を買うと4.5万円のCPUに、mini-ITXのマザーボードを別に用意して……だと、もう1~3万円くらい余計にかかってくるので、トータルではTopton N17の方が安く済みます。

もちろんサポートや便利そうなマザーボードの機能などを考えると玄人向けで、万人には絶対にオススメはできませんが、余ってるケースに中身を詰めたい人にはオススメです。

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