元ケータイ屋さんの、ちょっとした愚痴

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「エンジニア再就職日記」なんて書いていますが、全くエンジニアっぽさのない当ブログ。
何故か中の人はオープンソースソフトウェアを中心に、セキュリティなどをやってきていたはずなのにある日を境にどっぷり、ケータイ屋さんになっていました。
そんなケータイ屋さんという仕事を昨年10月に退職し、今は呑気に毎日過ごしているワケですが、ケータイ屋さんだった頃に感じたちょっとした小話のような、愚痴のような、そんなエントリを今回はお送りいたします。

また、スタッフが来なくなった

割と最近、どっかのメディアでも取り上げられていたんですけど「離職率が高い」んですよね、ケータイ屋さん。
筆者はケータイ屋さん歴としては7年とか8年くらい、もちろん第3世代サービス全盛期から入った組なので携帯電話業界・市場みたいな捉え方をすれば小童なんですが、しかし現場ではこれだけいると大ベテランとか賢者みたいな、そういう感じになります。
※昇格しないで現場に無駄に長く居残っている、とかではないのであしからず。

さて、じゃあ、なんでスタッフがある日辞めるのでしょうか、来なくなるのでしょうか。
正直筆者がケータイ屋さんになった頃はそんなことがなかったんですよね。えーっと、時代的に言うとドコモだったら「904i」とかauだったら「W5x」とか、Softbankだと「92x」とかの頃ですかね。
仕事としては「給料が高い」とか条件はいいですし、ご存じない方も多いかも知れませんが店頭に立っている販売員の多くは「派遣社員」「契約社員」で、福利厚生などもアルバイトに比べ有利なこともあって入口自体広い仕事だったりもします。

こんなにハードだと思わなかった

最低でも8時間、特にケータイ屋さんってのは立ちっぱなしで店頭に立っている事、呼び込みの為に大きく声を張り上げる事も多いですし、そういうハードさが想像と違った、疲れるから無理、などの理由で辞めていく、来なくなる、最悪休憩中にいなくなるなんて事もありました。

が、そうした肉体的なハードさよりも『機種やプランを覚えるのが大変』という、こっちを理由に去って行く人が多かったです。

携帯電話のプランって、そんなに難しかったっけ

新人には大体『自分の今の携帯、月額がどれくらいか、どんなプラン、割引きに入っているか』を聞いています。
即答かつ正解を答えられる子は本当に僅か、大体は“なんとなくこんな感じ”という答えだったり、そもそも答えられず、お客様を相手にするのと同じように教えることになります。
もちろん、新人ですから、今日のこの日、このお店にこのユニフォームを着て立つまでは一般のお客様と何も変わりませんから答えられなくて当然です。
その為に研修・教育のスケジュールを立ててやっているわけですが、年々ここに割く時間が多くなっていきます。
直近で言えばパケット定額サービスの「シェア」「ギフト」など、今までにない新規サービスが続々と発表・開始にもなりましたし、更には本体購入に伴う「月々サポート」「毎月割」「月月割」といった購入サポートと本体分割払いの仕組み、もう言い出したらキリがないほどに、適用条件が〜、対象範囲が〜、などなど、とにかく複雑化しており、教えるのも一苦労ならば、これを覚える新人たちはもっと大変です。
そして更にそれをお客様に案内をするとなれば、お客様から聞き出す情報は増え、そして案内する・ご納得頂く・安心してご購入・ご契約頂く、というケータイ屋さんの仕事はどんどんハードルの高いモノとなっていきます。

スマホはパソコンみたいなモノ

スマートフォンが登場した頃、従来形の携帯電話と比較し高機能な面、アプリケーションの追加による用途の拡大がパソコンのようだと紹介されている時期がありました。(いや、今でもあると思うんですが
従来形携帯電話が販売の中心だった数年前と店頭での案内を比較した筆者的な感想ですが
・カメラがキレイ
・画面が大きいorキレイ
・データフォルダ容量が大きいor小さい
みたいなご案内では売れないんですよね。
というのも、従来形携帯電話は事業者が提供するサービスを完璧にこなせればOK。そして利用者も全てのサービスを使う使わないにしても、その決められた範囲内で利用する事で十分に満足してました。

が、先に述べました通り、スマートフォンはその型にははまりません。
お客様によってスマートフォンでやりたい事の幅が広すぎるんです。
電話とメール(今だとLINEかな)が使えればOKです!というお客様もいれば、3Dをゴリゴリ動かすゲームが快適に出来るか否かで判断する方もいますし、Officeスイートで作られたビジネス文書のうち、PC版だとこういうレイアウトにしたのがスマホ版だと〜…etc….
とにかく自由過ぎて、1販売員が全てに模範回答出来るような状況じゃありません。
これじゃ確かに、ケータイ屋さんって難しい仕事なんだと判断して辞めていくスタッフも増えてしまうのも仕方がありません。
Snapdragon 801を搭載してるんですけど、実は表記は同じですがこちらの方がGPU側のクロックが少し高くてですね…とか説明できるようになれ!というのは酷ですし、かといってそれがお客様に響くトークなのかと言えば微妙ですし。

携帯電話は売りづらい!?だから買いづらい!?

多分、今の携帯電話ってもうこの一言にまとめる・片付けるしかないのかなーと。
散々上で語っていますけど
『プランが複雑で、変な縛りも存在して、そこに機種には自由度があって何でも出来る気がするけど、やっぱりそこも2年間縛られるし、その2年間の間に割引きがつくとかつかないとか色々言われるし、でも買い換えは出来るけどそうすると実質の代金が…』
という、これは買う側のお客様だけでなく、販売する側も考えている・思っている事です。
折角手塩にかけた可愛い後輩が辞めていく、というのは結構寂しいですし、もちろん、この複雑化する仕組みをお客様にご案内するのと同じか、それ以上の心意気でスタッフ育成が行えなかった自責も感じるところではあるんですが。

だからこそ、最近はSIMフリー・MVNOへの注目が集まっているんでしょう。
プランが凄いシンプル。通話料は秒or分いくら、通信量でこれだけ、その上普通に契約するよりも安い。
更に選べる電話機も種類が随分増えてきましたし、それの購入も原則買い切り。
一部MVNOなどではどんどんプランが増えたり、MNO同様に本体代金を24分割に…など、筆者的には微妙にMVNOのメリット薄れているような…とか思ったりもするところなんですがw

ケータイ屋さんはモノを売る仕事じゃない、コンサルタントだ

こんな風に言わなければならない日がくるとは。
多分もう販売をするつもりで売場に立つのでは売りづらくて仕方が無いと思います。
徐々にではありますが、お客様の現在の契約内容を店頭で照会できる仕組みなども導入されるなど、販売店での接客(個人的にはご案内と言いたいんですが)のスタイルも変化しつつはあります。
しかし、ケータイ屋さん、という認識だけではスタッフの意識、認識と現実に相違が生まれてしまうような状況ですので、もし本稿を読む現場の方がいたら、今一度使えるツールを接客のため、ではなく、コンサルティングの為に使う、そういう意識で取り組んでみてはどうでしょうか。
そして買う側も、もちろんアタリ・ハズレのケータイ屋さん、スタッフさんが…というのはあると思うのですが、売りっぱなしの販売からお客様ニーズにより近づけるよう、現場もコンサルを意識した作りに移行しつつはあるので、今からコンサルタントに相談しにいくぞ!という気持ちでお店へ行くと、気持ちよく次の1台、お気に入りの1台に出会えるかもしれません。

まとめ

愚痴、といいつつ、ケータイ屋さんとして自分が成し遂げたかった事、そして出来なかった事を綴るようなエントリになってしまいました。
もちろん、もっと色々な事情を知っている方が読んだら十分に愚痴か、皮肉に感じられる内容とも言えますが。

本ブログも、もちろん筆者としてはタイトルの通りに改めて色々と勉強をしている“イマドキのWeb技術”にフォーカスをあてたエントリーの執筆などにも力を入れていく所存ではありますが、大好きでやっていたケータイ屋さんとして培った「買いやすくなる工夫」のようなお話も、今後随時書いていいな、と考えています。

[追記]
続編書きました→ケータイ屋さんだった頃に気をつけていた事。

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コメント

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