未来は、ここにある – 仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション

日記

令和初の…!と言おうと思いましたが、令和初の銀幕を飾った仮面ライダーはジオウでした。
ある意味アレは平成なので、仮面ライダー史で言えば令和ライダーが銀幕を飾るのは初……と言おうと思いましたが、そもそもジオウ夏映画にゼロワン出てますね。

そんなボケはともかく、12月21日、つまり本日遂に封切りされた「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」(以下、令ジェネ)を早速見てきました。

『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』予告映像

令ジェネではゼロワンの物語の謎、そして鍵になっているであろう「デイブレイク」に焦点を当てたストーリー展開となり、同時に新旧ライダーのバトンタッチ作として、昨年のタイムトラベルライダーだった「ジオウ」を登場させることで、12年前に発生したデイブレイクの真相を明らかにしていきます。

先にバッサリ、最近のライダーについて毒を吐いてしまうと、それこそ夏映画の「お前らの平成って、酷くないか」じゃありませんが、1年毎に前作の世界観を引き継がないことで複数の作品を跨いだ物語を描くに当たりどうしても不整合を感じる部分が目立ってきます。
このあたりは、平成ライダー10作品記念のディケイド、20作品記念のジオウで「それぞれのライダーの世界がある」という強引な解釈を用いたり、一昨年の冬映画でも「違う世界」を活かしたり、昨年の冬映画は「そもそもライダーって架空でしょ」というメタ的なストーリー展開にしたりと、なんでもありなりになんとかしようという工夫は見えました。

が、令ジェネでは登場するライダー作品もバトンタッチを行う昨年のジオウ、今年のゼロワンに絞り、先にも書いた通りゼロワン世界の過去を明らかにする目的として、ジオウのタイムトラベル要素を持ってくることで、いつもの冬映画と比べると異なる作品のクロスオーバーが自然に行われた、という点は見終えた後にかなりポジティブに高評価したい部分です。

さて、ネタバレをせずに映画のストーリー以外を評価すると、これもかなり優秀。
約100分の上映時間のうち、戦闘パートが多くスピーディに展開していくためあっという間にエンディングに辿り着きます。

出演俳優陣の演技、特にジオウメンバーはジオウ放送当初からは想像できないくらいに演技が安定しています。
これまでは「先輩ライダーの後を追う」だったのが、今作では後輩ライダーへバトンタッチする、道筋を見せるポジションになったわけで、落ち着いた大人の演技ができるようになっていたのは正直言って驚いた部分。
主人公・常磐ソウゴ(演:奥野荘)もジオウ作中で、個人的な印象にはなってしまいますがEP45でウールが死んだ際の「何を笑ってるんだ」など、本当に終盤で見せた感情を乗せた演技に「すげぇ…成長してるわ…」と思ったりもしたんですけど、それ以上に今作では成長を感じられます。

ゼロワン組は比較的安定しているし、演技がどうという話になってしまうと現在放送中のテレビシリーズと同時に撮影しているため成長云々という話はできませんが、むしろ安定しているおかげで安心して見られる出来映え。
敢えて「ゼロワン」にフォーカスを当てると、今作が目的としている「本編を補完しデイブレイクの真相を明らかにする」だったり「飛電或人が何故ああいう熱い男になったのか」みたいな部分も、割とすんなり受け入れられるいいストーリーです。

総合的に見て、今作は難しいことを考えず「仮面ライダーかっけー!」だし「ゼロワンすげー!」とエンタメ的に楽しめる良作。
今夏のOverQuartzer然り昨年の平ジェネFOREVER然り、ちょっと最近は制作側がどこか自虐的に、メタ的に見せることに徹していたようにも感じますし、ある意味「ライダー全部盛り」みたいなのはそれはそれでお祭り作品としてはおもしろいんですけど、今活躍するヒーローをそのまま応援したくなるような物語として評価すれば今作は本当に優れた映画といえるでしょう。

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ネタバレ・ツッコミ

割と手放しにべた褒めしましたが、その上でヲタクらしくネタバレを含むツッコミも書いていきます。

ライズホッパーは何故使えたのか
本編 EP14「オレたち宇宙飛行ブラザーズ!」に繋がる話ですね、ここ。
寝坊した或人がライズホッパーに乗って会社へぶっ飛ばすわけですが、直後の変身シーンでは通常宇宙から降りてくるバッタのライダモデルが地中から飛び出してきます。
地中から飛び出してきた理由は、改変された世界で衛星ゼアは宇宙に打ち上げられず地中にあるからですね。
しかしライズホッパーは使用時、宇宙にある衛星ゼアから地上へ向けて射出されます。

或人が普通に自室で、寝坊するほど眠れていたわけで、歴史改変が行われたのはライズホッパーを呼び出した後だと仮定すればおかしくはないのですが、自宅から会社までの移動の数分間(数十分かもしれませんが)に歴史が改変されたと考えるのは些か無理があるようにも感じます。

タイムジャッカー・フィーニスはどこから現れたのか
ジオウ本編におけるタイムジャッカーとは、スウォルツが時間停止能力などを分け与えた存在です。
スウォルツとその妹であるツクヨミ、作中には登場しませんがその血縁者のみが元々その能力が使えるという設定も存在しています。
つまり、新たなタイムジャッカーが登場するにはどこかでスウォルツが力を分け与えなければ登場しません。

ジオウ本編において、それまでの世界は破壊され、新たな歴史・世界が創造されています。
スウォルツも創造された世界において復活している可能性はありますがそれは語られておらず、タイムジャッカーの発生条件が具体的にどうなっているかは今作において定かではありません。

もっとも、12年前の過去を明らかにするストーリーであり、タイムトラベルを行うジオウを登場させるには「本来の歴史と違っている」ことをジオウ組に観測させる必要があります。
そのためには歴史に介入できる敵の存在は不可欠であり、タイムジャッカーが出てこないことには今作は成り立たないわけで、ここは流石にご都合主義でいかなければならないため仕方ないのですが。

001に1型にアナザーゼロワン、そしてアナザー1号
「最初のライダー」にこだわった本作。
令和…レイワ…レイワン…ゼロワン、そんな安直なネーミングのゼロワンであり、令和第一号ライダーのゼロワンの「はじまりの物語」とも位置付けられているため、1号という存在にスポットが当たるのは当然でしょう。

しかしラスボスとなるフィーニスが変身する「アナザー1号」はイマイチわからん。
最初のライダーという言葉にこだわれば、確かに旧1号こそ最初のライダーでしょう。しかしアナザー1号のウォッチを手に入れるため、ジオウからすべてのライダーの力をフィーニスは奪うわけですが、ジオウ自身が受け継ぎ集めたライダーの力とは、平成ライダーすべての力です。
そこから何故昭和ライダー1号のライドウォッチができるのかはハッキリ言って疑問が残ります。

作冬の平ジェネFOREVERでも「平成ライダーがうざいので消し飛ばしましょう」と、平成ライダー1号であるクウガの力を手に入れ、後に続く平成ライダーの歴史をすべて改編するような演出が行われましたが、それ以上に強引さが目立つというか。
なんというか、長い歴史のある仮面ライダーにおいて「昭和vs平成vs令和」を、令和1号ライダーの劇場版でやりたかったという意図は透けて見えるわけですが、それをやるならもっとやり方があったように感じます。

例えば、ジオウ本編で破壊と創造によって作り直された世界において、昭和ライダーはすべてのライダーが同じ世界観を共有しているため「昭和ライダーの世界」が存在していて、その世界においてライダーを統べる存在がフィーニスだったとか。こう、ジオウから力を奪ってアナザー1号を生み出すよりは、せっかくの「多次元世界」や「タイムトラベル」の設定を活かしつつ新キャラやラスボスを生み出すのにはそういう手もあったのではないか?と。

まぁ、どちらにしても旧作をぶっ飛ばして新時代だぜ!という終わり方になってしまうのは、なんとなく制作側が「新しいものを作る」に固執しすぎている点が、結果的に粗を目立たせている気がして勿体ないですね。

アナザーライダーを倒すには、オリジナルのライダーの力が必要
今作において完全に噛ませ役になってしまったアナザーゼロワン。
久々に原点回帰したバッタっぽさをスタイリッシュな細マッチョにまとめたゼロワンを、いい感じにクリーチャーっぽく描き直した姿は割と好感の持てるデザインだったのですが、アナザー1号を前に完全に小物になってしまったのは残念です。

ジオウの作中、アナザーライダーを倒すにはオリジナルライダーの力が必要でした。そのためにジオウでは過去に飛んでオリジナルキャストらからその力を受け継ぐというストーリー展開がなされたわけで。

しかし今作においてアナザーゼロワンにトドメを刺したのは仮面ライダーバルカン・バルキリーのA.I.M.S.コンビ。
本来であればアナザーゼロワンを倒すにはゼロワンの力が必要です。
実際、アナザーゼロワンは倒された後に爆散、変身者だったヒューマギア・ウィル自身もメカなので爆散しており変身者不在になったので「アナザーライダーとして倒せはしなかったが、変身者死亡につき不在となったので勝利」と考えればOKになるんですけど、なんとなく釈然としません。


総じて粗を探せば見つかってしまうのは異なる作品を混在させる以上、致し方ない部分です。
デイブレイクの真実も、AIの可能性として「人に危害を加えること」を思考し選んでしまった結果のこと。その結果に至るまでに、ウィルや其雄の思考が影響しているというのはおまけです。
例えば、其雄は或人の「人間とヒューマギアが笑える世界を作りたい」という夢を実現するために尽力したわけですが、それをアークが勘違いした結果が「人類滅亡だった」というだけの話。
本作を見ることでデイブレイクは何がキッカケだったのかを深めて楽しむことはできますが、見ていなくても大丈夫っちゃ大丈夫なんですよね、コレ。より楽しみたいなら、見ておいた方がこの先に或人らの台詞に映画の条件を重ね、さらに熱く楽しめるようになるための映画です。
平成仮面ライダーだったら、Wのビギンズナイトみたいなもんです。

ネタバレかつツッコミパートでは、だいぶ色々苦言を呈してしまいましたが、気にしないで見ればいいですし、仮面ライダーはフィクションです。
ツッコみつつ、こうだったら良かったと思うところはフィクションだからこその想像、妄想として自分の中で咀嚼していけばいい部分です。
それに映画も尺は有限ですから、こうやって書いた中に尺の都合上カットされた話もあるのかもしれません。

色々書きましたが、令ジェネ、本当にいい映画でした。だってイズちゃんがとにかく可愛いんだもの。
久々にちゃんとヒロインがヒロインしている感じですよね、イズちゃん。

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