そのゲームの続きを君に話したい

日記

子供の頃は県営団地に住んでいた。
新しく棟が建って、僕が離れるまでに建った一番新しい棟で「31号棟」、今は何号棟まであって、何棟取り壊されて全部で何棟あるかわからないけど、いわゆる「マンモス団地」に住んでいた。

それだけ大きな団地であれば幼馴染みというのは沢山いる。
同じ幼稚園、同じ小学校、同じ中学校、途中で転校した子もいるけれど、幼稚園児の頃から遊んでいたような子を幼馴染みとするならば、多分20人くらいは幼馴染みと言える子が団地にはいた。
いや、もっといたかもしれないし、向こうはどう思っているかもわからないけど。

その中に一人「Yくん」という、一個下の男の子がいた。
彼の両親は共働きだったから幼稚園ではなく保育園だったけど、住んでいる棟が同じだったから頻繁に遊んでいた。
そういう環境だったからか彼はスーファミもゲームボーイも誰よりも先に買ってもらっていて、ファミコンでしか遊んだことがない僕には新鮮な色々なゲームを教えてもらって、彼の家で遊ぶことが多かった。

そんな色々なゲームの中で彼から一番オススメされたのがロックマンX。
続編のX2もだいぶプッシュされた。
ちょっと遊んでみると難しく、まだ小学校低学年の僕らには簡単にクリアできるようなものではなかったんだけど、シリアスなストーリー展開は子供ながらにカッコイイと思えるものだった。

すっかり僕は彼にオススメされたロックマンXにハマってしまったし、自分の家でも遊びたいからと7歳の誕生日にスーファミをねだり、出たばかりのロックマン7ではなく「X2が欲しいんだ」と親にソフトを探してもらってセットで誕生日プレゼントにしてもらった。

念願の自分用のスーファミ。念願の自分のX2。ワクワクしながら遊び始めた頃にYくんは県内の他の市に引っ越してしまった。

ただ、ご近所付き合いの強い時代で親同士も仲が良かったし、同じように引っ越してしまった幼馴染みらを含め、頻繁に皆で集まって遊んでいたし、Yくんとは会う度にコミックボンボンとメガミッションからX3の予想を立てて盛り上がったり、ごっこ遊びでロックマンXごっこをして遊んだりもした。
そんなことを繰り返しているうちにX3は発売になったし、電話で話せばX3はどこまでクリアしたかと盛り上がったし、会って遊べばどちらかの家でパスワードを打ち込んで「こんな感じ」と見せ合うようなこともあったりもした。

お互い、ハイパーチップも手に入れて、ゼットセイバーも手に入れて、さぁ、次はX4だ、どんな話になるんだ!?と盛り上がるようになった頃、Yくんは交通事故でいなくなってしまった。

ひどい事故だった。棺の中のYくんの姿は見せられないと親に止められたし、Yくんのお母さんに葬儀で抱きしめられたりもした。

ああ、次に会ったらまたX4の話をするのに。きっともっと、ゼロで遊べるようになってるし、今度のΣはもっと凶悪になっているだろうと、そんな風に話をするはずだったのに。

それからX4はプレステか、セガサターンで遊べるゲームとして世に出たし、やっぱりゼロで遊べるモードが追加されているし、ラーニングシステムでゼットセイバーは8ボス倒して強化できるし、Σは見た目こそ凶悪だけどここまでの4作の中では一番サクれるラスボスになっていたし、メモリーカードにセーブができるから、もしうまく進められなくなってもYくんに助けてもらえるし、いや、僕が彼のプレイを助けるんだくらいの気持ちになったのに。

Yくんは、もういない。

それからも僕は、Yくんの分もロックマンXを遊ぼうと決めた。子供ながらに彼の分も生きなければと思ったし、彼の分も生きるならば彼が遊べない分のロックマンXを遊ばないといけないと考えた。

X4からX5はだいぶ開いたっけ。アレはクソゲーだった。いや、それでも久々のXシリーズ最新作には震えた。
X6はX5の確か1年後。僕は高校受験を考え始めないといけない頃だったし、部活も忙しかったけど、なんとか週末に時間を作ってとことんプレイした。ゼロにまた出会えたときは泣いたし、ああ、いなくなってしまった君に会えたようだ。
X7が出るより前にロックマンゼロが出たんだぜ。君は知らないだろうけど、今度はゼロが主人公なんだ。
じゃあX7は?アレは本当にクソゲーだった。文句を言いながらも、それでも僕は遊んだし、きっと君だって遊んだはずだ。
X8は普通。いや、普通と言っていいのかな、どうなんだろう。X7よりはマシだけど、僕はアクセルがそんなに好きじゃない。君はどうだい?

あれから何年経ったんだっけ。
もうXシリーズの新作は出てこない。X→ゼロ→ゼクスと続いた系譜は終わってしまったよ。でも、ロックマンは11が出たんだ。
そういえば君は8が出る前にいなくなってしまったね。その後にロックマン&フォルテが出て、X4のゼロだけじゃなく無印だってフォルテで遊べるようになったんだぜ。

ああ、いっぱい話したいことはあるのに。
いつか話せる日のために、僕は今もロックマンで遊んでいる。君が遊んだことがないプレステも、今やプレステ4なんだ。そのプレステ4でロックマンXで遊んでいるよ。

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